今年も売り手市場、すでに内々定の学生も…学生の就活が本格スタート

県内企業を中心に100社が参加した合同企業説明会=1日、鹿児島市の鹿児島国際大学

 2025年春卒業の大学生に向けた企業の会社説明会が1日解禁され、学生の就職活動が本格的に始まった。人手不足を背景に、学生優位の「売り手市場」が続いている。すでに内々定を得ている学生もおり、活動は早期化。対面に加え、オンラインでの説明会も定着している。

 鹿児島市の鹿児島国際大学は1日、県内企業を中心に100社を集めた説明会を開き、学生約350人が参加した。企業は動画やスライドを使って事業内容や社風などをアピール。学生は働きがいや福利厚生の説明に耳を傾けた。

 同大就職キャリアセンターの今村憲一所長によると、学生は就活サイトなど新型コロナウイルス禍で定着したオンラインを活用しており、知名度のある企業への関心が高いという。

 建設資材販売の今別府産業(鹿児島市)は対面での説明会とともにオンラインでの採用活動にも力を入れている。同社の坂下浩一専務(66)は「少しでも多くの学生に業界に目を向けてほしい」と語った。

 金融業志望の経済学部3年、米玉利龍斗さん(21)は昨年の夏からオンラインと対面で7、8社のイベントに参加。「合同説明会では複数の同業社の違いを学びたい」と意気込んだ。

 就職情報サイト運営のマイナビによると、昨年6月に開いた就業体験説明会では鹿児島会場の参加者が前年の2.3倍と就職を見据えた動きは早まっている。鹿児島営業課の永島佳奈課長は「活動は早まっているが、採用できていない企業も多く、これから本腰を入れる学生にもチャンスはある」と話した。

(別カット)県内企業を中心に100社が参加した合同企業説明会=1日、鹿児島市の鹿児島国際大学

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