ホタルイカ漁解禁 水橋432キロ、滑川106キロ

網にすくい上げられ、淡い光を放つホタルイカ=滑川沖、1日午前4時半

  ●不漁の昨年より大幅増

 富山湾の春の風物詩ホタルイカ漁は1日、解禁された。初日の水揚げは富山市の水橋漁港で432キロ(昨年4.5キロ)、滑川市の滑川漁港で約106キロ(同0.5キロ、59匹)といずれも不漁だった昨年を大きく上回った。両港の地元漁師らは「初日にしては良い漁だった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 水橋漁港では能登半島地震で、五つある定置網全てが破損し、うち三つが1日までに復旧した。帰港した船から、ホタルイカの入った籠が次々と荷揚げされ、競りでは1キロ当たり約6千円で取引された。

 水橋漁民合同組合の安倍久智組合長(44)は「漁ができてほっとした。今月中に残る二つの定置網を修復させたい」と話した。

 滑川漁港では、滑川春網定置漁業組合の漁師約50人が出漁。今年の水揚げ量は平年並みで、1キロ当たり約5500円で取引された。

 滑川漁協によると、能登半島地震の影響で海底の地形が変化したため、定置網の設置に時間がかかり、資材も多く必要になった。現時点では、11のうち五つの定置網を設けている。

 水野豊理事(50)は「天候が悪い中、いい漁ができた。今後にも期待したい」とした。ホタルイカ漁は5月末ごろまで行われる。

  ●過去10年の平均上回る漁獲見込む

 富山県水産研究所は1日、今年のホタルイカ漁について、総漁獲量は2238トンと見込まれ、過去10年の平均1261トンを上回るとの予測を発表した。

 1月上旬~2月中旬の漁獲量が高水準だったことや、2月後半に行われた調査結果などを考慮した。

 同研究所は能登半島地震のホタルイカ漁への影響は、不明とする。ホタルイカは漁期になると富山湾に来遊してくるため地滑りなどによる減少は考えにくいが、無関係と断定はできず、今後の推移を注視するとしている。

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