OP戦好投のタイガース前田健太、新球種にMLB公式が脚光!「新しいバリエーションを投げた」

デトロイト・タイガースの前田健太が現地時間3月1日に行なわれた、フィラデルフィア・フィリーズとのオープン戦に先発した。移籍後での初の実戦登板は、2回を投げ2安打1失点(自責点0)、2奪三振という内容だった。
2021年9月の右肘手術から、リハビリを経て昨年4月に復帰を果たし、ミネソタ・ツインズの先発投手として6勝をマーク。しかし、シーズン中も右腕の張りで負傷者リスト入りも経験、満足なシーズンとはならなかった。オフにFAとなり、11月下旬にタイガース加入が発表されている。

メジャー9シーズン目、4月には36歳を迎えるなど、すでにベテランの域にも達している前田は新天地で、昨年以上の成績を目指すことになる。

そして、タイガースでの最初の実戦登板を果たした日本人右腕のピッチングは米国内でも関心が寄せられており、メジャー公式サイト『MLB.com』もレポートしている。

同メディアは、「金曜日のフィリーズ戦でのマエダの2イニング(タイガースのユニホームを着ての初試合登板)は、彼にとって良い出発点となった」と評価。140㎞台中盤を記録した球速について「レギュラーシーズンの平均より落ちたが、現時点ではコマンドに重点を置いている」とピッチングを振り返った。

投球内容についても言及し、「スライダーは、彼の30球のうち14球を占めた。彼は長年投げ続けてきた伝統的なスライダーに加えて、取り組んできた新しいバリエーションを投げた」と指摘。さらに「このスライダーは、初回に2つの空振り三振を奪い、7つのコールストライクのうち6つを奪った」として、新球種が効果的だったと綴っている。

また、タイガースのA.J.ヒンチ監督がこの日のピッチングについて、「(カウントで)先行して投げるとき、彼はどんな球でも投げられる状態になる」と評価したコメントも紹介。

加えて、初実戦登板を終えた前田本人が、「今日は良い出発点だったと思う」と述べたとしており、他にも、「明らかにまだ取り組む必要があることがいくつかあるが、これが最初の登板であることを考慮すると、かなりうまくいったと思う」と、この日掴んだ手応えについて発言したことも記している。

今季のMLBは、新たに海を渡った日本人投手の活躍が大きな話題となりそうだ。しかし、その中でも円熟味を増す前田のピッチングが、見過ごせないポイントになることは間違いないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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