休館中の黒滝温泉、営業終了へ 老朽化受け奥州市が方針決定

 岩手県奥州市は、休館している同市衣川の市営黒滝温泉の再開を断念し営業を終了する方針を決めた。源泉設備の老朽化が進んでおり、民間譲渡を前提に地元振興会を指定管理者とすることは困難と判断。施設の活用策を今後、地元と協議する。

 市は2022年度、同温泉の一時休止方針を示したが、運営の受け皿をつくる地元の動きを重視し営業を継続。南股地区振興会が運営計画を作成し、今年4月から3年間の指定管理候補者に選定されていた。

 一方で昨年10月、源泉ポンプが故障し休館。修繕費を含む補正予算案が市議会で可決され、今年1月に作業に着手したが、状況が厳しく工法を再検討した。湯をくみ上げる試験の結果、老朽化が想定以上で維持費増大が見込まれ、安定供給も望めないことが判明した。

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