【マカオ】三菱重工、マカオ東線のAGTシステム受注[運輸]

三菱重工業は2月29日、マカオの軽量軌道交通(LRT)の新線「東線」向けに、全自動無人運転車両(AGT)システム一式を受注したと正式に発表した。同社のマカオLRT向けプロジェクト受注はタイパ線と媽閣延伸線、現在建設中の石排湾延伸線、横琴延伸線に続く5路線目となる。

三菱重工は信号や通信システム、給電設備、軌道工事、ホームドア、料金機械など、駅舎の建設や土木工事以外の部分を担当する。旅客向けの車両として、タイパ線などに納入済みの110両を活用するほか、リチウムイオン式蓄電機器を搭載した火災時の消防士緊急出動用車両(BAV)も納入する予定。

石排湾延伸線、横琴延伸線に続き、地場ゼネコンの得宝澳門、豪進建築工程との間でコンソーシアム(企業連合)を組んで協働する。三菱重工は今回の受注について「これまでの工事実績と、安全かつ安定的な運行が高く評価された」としている。

東線の全長は7.7キロメートル。マカオ半島の北端に位置する中国広東省珠海との陸路検問所「拱北検問所」から、マカオ半島の東側に位置する埋め立て地「新城A区」、タイパ島北部の埋め立て地「新城E区」を通り、LRT既存路線「タイパ線」のタイパ・フェリーターミナル駅までをつなぐ計画で、新たに6駅を設置する。

マカオ政府公共建設局は2月に、東線の建設工事の運行システム部分を3社が36億5,700万マカオパタカ(約680億円)で落札したと明らかにしていた。三菱重工の広報担当者は、マカオ当局の発表はコンソーシアムとしての受注額であるとして「当社単独での受注額については公表を控える」としている。

東線が通るマカオ半島東側沖合の埋め立て地(三菱重工業提供)

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