祝!卒業…おれんじ鉄道が「メッセージトレイン」 通学利用の高校生、先生や運転士がエール交換 「レールの先にきっと素敵な景色」

高校生や職員らが寄せたメッセージ=出水市上鯖渕

 肥薩おれんじ鉄道は、沿線の学校に通い今春卒業する高校生や教職員、同鉄道職員が台紙に「想(おも)い」を寄せて車内で交換する「メッセージトレイン」を、29日まで運行中だ。「毎日送り出してくれてありがとう」と生徒が謝意を示す言葉などがつづられている。

 同鉄道は昨年、新型コロナウイルス下で制約の多かった高校生の思い出になればと、職員がメッセージを送るイベントを企画。今年は生徒にも書いてもらおうと幅を広げ、野田女子や川内など鹿児島、熊本両県の沿線10以上の高校、高専が賛同した。

 対象は全19車両のうち2車両で、中づりと窓上広告に計約60枚を掲出した。台紙はピンク色でB3サイズ。「2024年3月 祝! 卒業」の文字が入り、サクラとおれんじ鉄道の写真が載った2種類がある。

 高校生らは「自然の中、楽しくすごせました」「みんなのためにはしるおれ鉄はかっこいい」「駅員さんに感謝」などと書いた。地元高校を卒業した運転士は「夢へと続く線路。レールの先にはきっと素敵な景色が待っているはずです」と列車が走るイラストを付けて寄せている。

 営業部の片岡洸太さん(29)は「古里を出て行く高校生が多いと思うが、つらいときは楽しかったおれんじ鉄道の乗車を思い出し、壁を乗り越えて」とエールを送る。

〈別カット〉肥薩おれんじ鉄道の職員らが寄せたメッセージ=出水市上鯖渕
〈別カット〉学校側が寄せたメッセージ=出水市上鯖渕

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