大槌町、庁舎跡地活用の検討中断 大型事業進行踏まえ再開

旧役場庁舎跡地=2021年9月9日、大槌町新町

 岩手県大槌町は旧役場庁舎跡地について、東日本大震災の教訓を伝えるモニュメント整備などの検討を一時中断する。追悼・伝承施設「(仮称)鎮魂の森」の整備など大型事業の進行状況を踏まえ、検討を再開する。

 平野公三町長が1日、中断理由などを説明。▽2021年度の町民参加による議論で意見集約できなかった▽震災伝承を考える運営会議から「十分に検討を重ね結論を導く」よう求められた―などを挙げた。

 町は震災の移転元地(被災跡地)に「(仮称)鎮魂の森」の整備を進めており、町中心部には町民が集う広場を設ける方針だ。二つの大型事業を担当する町職員の負担が大きいことも理由とした。旧民宿あかぶ跡地の活用に関する検討は続ける。

© 株式会社岩手日報社