輪島市町野町金蔵の井池光信区長らは4日、市に対して同地区内に仮設住宅を設置するよう申し入れた。集落からの人口流出を食い止める狙いで、同様の要望が市に寄せられるのは初めてとなる。
井池区長ら4人が市役所を訪れ、要望書を提出した。
金蔵では地震で3割近くの家屋が損傷。市街地へ向かう道路が寸断されるなど、不便な生活が長引く中、集落からは次々と住民が離れていった。ある人は市街地の避難所へ、ある人は金沢の子どもの家へ。
井池区長によると、地震前は53世帯95人が暮らしていたが、現在は25人に減少。井池区長は2050年に集落の人口が11人になるとした国の推計を引き合いに「人口減少が約20年分も進んでしまった」と嘆く。
一方で、多くの世帯が地元に仮設住宅ができれば集落へ戻る意向を示しているという。
井池区長は「集落は人の集まりであり、顔を合わせて生活できなければ成り立たない」と危機感を示した。市の担当者は「内容を確認して判断したい」とした。