【シンガポール】AI中核研究拠点設置へ、二つのアプローチ[IT]

シンガポール政府は、人工知能(AI)の中核的研究拠点(センター・オブ・エクセレンス=COE)の設置に向け、企業別、分野別のアプローチを取る。産業界でのAI導入を促進するのが狙い。ガン・キムヨン貿易産業相が1日に明らかにした。

企業別では100社と提携する。対象企業内でのAIの機能構築やソリューションの開発・採用を促す。

分野別では、第1弾として科学技術研究庁(A*STAR)が製造分野の中核的研究拠点を年内に立ち上げる。産業界や研究機関、スタートアップの関係者を集め、同分野のAIソリューションを開発する。

貿易産業省によると、世界でのAIの市場規模は2023年の1,500億米ドル(22兆5,300億円)から30年には1兆3,500億米ドルへと急増することが予測されている。シンガポールは中核的研究拠点の設置で成長の果実を享受したい考えだ。

ローレンス・ウォン副首相兼財務相は2月に発表した24年度(24年4月~25年3月)予算案で、向こう5年間でAI産業の育成に10億Sドル(約1,120億円)以上を投じると言及。企業がAI分野の中核的研究拠点を設置する動きを後押しする意向を表明していた。

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