酒の仕込み、奥深さ体感 出羽桜酒造(天童)で東大農学部生

日本酒造りを体験する東大生=天童市・出羽桜酒造

 日本酒の醸造過程や魅力に理解を深めようと、東京大農学部の3年生17人が4日、天童市の出羽桜酒造(仲野益美社長)を訪れ、仕込み作業を体験した。

 蔵人から醸造の手法や意義を聴き、酒母作りを体験した。酒米の出羽燦々(さんさん)を使って純米吟醸酒を造る工程を見学し、タンクに入った酒米やこうじ、水を櫂(かい)で混ぜる作業に挑戦。2人一組で息を合わせて櫂を入れる難しさを体感し、スムーズに作業する蔵人の動きに感嘆の声を上げた。

 学生は見慣れない酒蔵での作業に興味を引かれた様子で、写真を撮りながら蔵人の説明を聞いた。堀祥吾さん(22)は「(出羽桜は)手作業にこだわっており、一つ一つの工程が大変だと思う。その一端に触れ楽しかった」と話した。

 学生は5月に開かれる大学祭「五月祭」で日本酒ブースを出店し、この日の経験を生かして酒をPRする予定。同社は仲野社長が東大大学院の発酵醸造学講師を務める縁で、学生を毎年受け入れている。一行は天童温泉に宿泊し、5日まで体験や見学を続ける。

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