闇の情報、計142件提供 県警、サイバーパトローラーの2人に感謝状贈る

感謝状を受け取った庄子寛晃さん(中央左)と佐藤翔悟さん(中央右)=山形市

 犯罪につながる有害サイトや、違法な書き込みなどについて情報提供する「サイバーパトローラー」を担い、多くの情報を提供したとして、県警は4日、大原スポーツ公務員専門学校山形校の公務員学科1年の庄子寛晃さん(19)=山形市=と佐藤翔悟さん(19)=東根市=に感謝状を贈った。本年度のサイバーパトローラーから県警に寄せられた情報のうち、半数以上が2人からの提供だった。

 サイバーパトローラーは、特殊詐欺(うそ電話詐欺)や強盗などの実行役を募る「闇バイト」、違法薬物の取引、わいせつな内容や他人を誹謗(ひぼう)中傷する書き込みなど、インターネットや交流サイト(SNS)上で、犯罪などにつながる書き込みや、有害情報がないかを警戒。ネット環境に慣れ、利用頻度も高い若い世代196人を県警が委嘱しており、見つけ次第、情報提供する役目を負っている。

 庄子さんは主に「X」(旧ツイッター)で違法薬物に関する情報を多く発見し、個人では最多の98件の違法情報を通報した。「隠語や絵文字などを使い、大麻や覚醒剤に誘い込む投稿が多かった」と指摘する。佐藤さんは闇バイトに関する情報を中心に庄子さんに次ぐ44件。「『日給が高い』『簡単にできる』など、甘い言葉で犯罪に引き込む投稿が目立った」と振り返る。本年度1月末まで寄せられた260件のうち、計142件が2人からの情報だった。

 この日は、県警の阿部喜彦生活安全部長が感謝状を手渡した。庄子さんは4月から海上自衛隊の事務官の道に進む。「就職後にも自分の強みになると思い活動してきた。違法薬物による犯罪が少しでも減ればうれしい」と語った。佐藤さんは4月から県警の警察官を拝命する。「地域に根を張った警察官になり、犯罪で悲しむ人を一人でもなくしたい」と語った。阿部生活安全部長は「皆さんの活躍で多くの人が被害に遭わずに済んだ。この活動で培った正義感を、社会人になっても役立ててほしい」と謝辞を述べた。

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