年を重ねると増える【ほくろ、いぼ】保険治療と美容医療の違いは?

ほくろ、いぼは、年を重ねることで増えていくタイプがあります。目立ってくると、気になりますね。ほくろやいぼを取り除く場合、保険治療と美容医療では、どんな違いがあるのでしょう。どうたいクリニック美容皮膚科院長の岡部圭介医師と、設楽敦子看護師に、お話を伺いました。

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加齢に伴って数が増える、 盛り上がってくるほくろ

ほくろは生まれつきあるもの(先天性色素細胞母斑)だけでなく、年を重ねることで新たにできるものもあります。また、子どもの頃は平らだったほくろが徐々に盛り上がってくることもあります。これらは生理的な変化であることが多いようです。

「美容医療では炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を使って治療しますが、ほくろが大きい場合など、切除することもあります」(岡部先生。以下同)

紫外線や加齢の影響で 中年期以降に増えてくるいぼ

いぼはウイルスに感染することでできるものと、紫外線や加齢が原因でできるものの大きく2タイプに分けられます。ウイルス性のいぼの場合、感染したウイルスの種類によってできる場所や症状が異なります。

自費診療の美容医療での治療対象になるのは、主に紫外線や加齢が原因でできるいぼです。このうち“老人性いぼ”などと呼ばれることもあるのが脂漏性角化症、“首いぼ”“中年いぼ”などと呼ばれるのが軟性線維種です。
「いずれもほくろ除去と同じ炭酸ガスレーザーで治療を行います」

炭酸ガスレーザー治療

どんな治療?

ほくろやいぼ、盛り上がりのあるシミなどにピンポイントで照射できるため、短時間で治療ができ、皮膚組織の損傷も小さく抑えられます。出血はほとんどありません。あらかじめ局所麻酔の注射やテープで痛みを取り除いてから照射します。

レーザーを照射した部分を保護するため、施術後はテープを貼ります。

「レーザー照射部分は、直後はくぼんだ状態となりますが、1週間程度で周囲から皮膚が進展して治ります。数週間から数カ月で徐々に赤みが軽減して傷跡は目立たなくなります」

痛みや副作用は?

・赤み、色素沈着、へこみなど。
・目に見えないほくろの細胞が1回の施術で取り切れず、再発することがあります。

ほくろ、いぼの除去は保険治療でも行えます

ほくろやいぼの除去は一般の皮膚科で保険治療でも受けられます。ただし保険治療と、自費診療の美容医療では、その目的が少し異なります。

保険治療の目的は病気を治すこと。ですから“ほくろやいぼを取り除くこと”が治療の目的です。
「ちょっと極端な表現になりますが、『ほくろやいぼがなくなりさえすればいい』というのが保険治療の一般的な考え方です」

それに対して美容医療は“ほくろやいぼを取り除いて、きれいな仕上がりにすること”を治療の目的としています。

また、保険で認められている治療は、ほくろに対する手術治療、いぼに対する手術治療や液体窒素療法であり、レーザー治療は保険適用外です。

「価値観は人それぞれです。『仕上がりよりも、費用を安く抑えたい』と考えるならば、保険治療で十分でしょう。一方、『どうせほくろやいぼを取るなら、取ったあとの肌もきれいな状態にしたい』と考えるならば、美容医療という選択もありです」

美容医療の場合、ほくろやいぼの数が多い場合、取り放題などのお得なプランが用意されているクリニックもあります。

美容医療でほくろやいぼを取るメリット

1 ほくろやいぼを取るだけでなく、よりきれいな仕上がりが期待できる。
2 ほくろやいぼの数が多い場合、取り放題プランなどお得に受けられる場合がある。
3 実際に受ける施術はほくろやいぼの除去でも、他の肌悩みについての診察やアドバイスが同時に受けられる。

デメリット

自費診療の美容医療は、保険治療よりも価格が高くなる。

治療施設を選ぶポイントは費用を重視するのか、仕上がりのきれいさを重視するか。どちらを選ぶかは、それぞれの価値観で決めればよいでしょう。また、医師やスタッフとの相性も大切です。信頼できる医師かどうか、自分の目で見て、話して判断しましょう。

次回はエステ感覚で受けられる美容医療施術について、説明します。


監修者
どうたいクリニック美容皮膚科院長・慶應義塾大学形成外科専任講師 岡部圭介

静岡県浜松市出身。2004年 慶應義塾大学医学部卒業。2014年 同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。同大学形成外科助教を経て、2016年から慶應義塾大学形成外科専任講師。専門は先天性顎顔面疾患の手術治療、きずの治療など。
【所属学会】日本形成外科学会(専門医・指導医)、日本創傷治癒学会(評議員)、日本創傷外科学会(専門医)、瘢痕・ケロイド治療研究会(理事)、日本再生医療学会、日本褥瘡学会、血管生物医学会

監修者
どうたいクリニック美容皮膚科看護師長 設楽敦子

北里大学看護学部卒。北里大学病院中央手術室に11年間勤務。出産・子育てを経て、どうたいクリニック入職。韓国の美容医療事情にも精通している。

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