日鉄呉跡地に防衛拠点 防衛省打診で地元の反応は…「呉がもう1回元気になってほしい」

木原防衛大臣は、日本製鉄呉地区の跡地を一括で購入して、新たな複合的防衛拠点を速やかに整備したいという考えを明らかにしました。跡地の具体的な活用策がようやく見えてきたことについて、地元の反応です。

木原防衛大臣
「防衛省としては、防衛力の抜本的な強化のため、速やかに呉地区における新たな拠点整備を行いたいと考えている」

防衛省は4日、県などに対して去年秋に全面閉鎖された日鉄呉跡地に、「多機能な複合的防衛拠点」を整備したい考えを伝えました。県は、跡地活用策の選択肢の一つとして「今後丁寧に話を聞いていきたい」としています。

木原防衛大臣は新たな防衛拠点の機能について、▽民間の誘致を含む装備品の維持整備・製造、▽物資の集積場などを含む防災拠点、そして、▽岸壁を活用した港湾を想定していることを明らかにしました。

木原防衛大臣
「3つの機能を、同一の地域に一体的に整備し、部隊運用の持続性を高めたいと考える」

防衛省は、跡地の一括購入に向けて協議をしていて、今後、拠点機能の区割り=ゾーニングの案を地元に説明したいとしています。

製鉄所の閉鎖が発表されたのは、2020年…。ただ、マツダスタジアム36個分にもあたる巨大な跡地の具体的な活用の検討は、これまで進んでいませんでした。

呉中通商店街の店主
「呉に元気がなくなっていたのでよかったです。何かができないと、今のままではさみしいですよね。これからの呉の先行きが不安だったので」
呉中通商店街の店主
「呉がもう1回元気になってほしい。昔の日新製鋼(製鉄所)の仕事終わりに、中通がワイワイしていたころに戻ってほしいね」

呉商工会議所 若本裕昭 会頭
「何もないよりは、何かが来るという意味では、活性化につながるし、いい話ではないかとは感じました」

呉商工会議所の若本会頭は、「さまざまな協議を進めるうえで、スピード感があったほうがいい」と話しました。

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