「原子力災害はまだ終わっていない」大学生が震災・原発事故語り継ぐ大切さ学ぶ 福島

震災を忘れず、未来へとつなげていく活動です。福島県内外の大学生たちが、富岡町の震災伝承施設を訪れ、語り継いでいく大切さを学びました。

津波に流されたパトカーに、災害対策本部のホワイトボード。展示が行われているのは、富岡町が独自に整備した「とみおかアーカイブ・ミュージアム」。職員が集めた資料5万点以上が展示・収蔵されています。

水津邦治アナウンサー「館内に入って目をひくのは、津波で流された双葉警察署のパトカーです。津波の恐ろしさがよく分かります」

このパトカーには、当時、町民の避難誘導に当たっていた警察官2人が乗っていました。

訪れたのは、県内外の大学生およそ20人で、全国の大学生に「社会を学ぶインターンシップ」を提供しているNPO法人が、震災の現実を知り、その教訓を未来へと繋げてもらおうと企画しました。

訪れた学生たちは、地震や津波による被害や当時の様子を知る資料を真剣な眼差しで見つめていました。

「針を止めた時計たち」は、様々な被害によって針が止まった時間が違う時計の数々が展示されています。

郡山女子大学の学生(1年)「時を刻む時計が止まっているのを見ると、私たちにはわからなかった情景とかを、この時計たちが覚えているのかなと思いながら見ていました」 東日本国際大学の学生(3年)「地元でどういう状況が起きていたのかというのを詳しく知れて、大変な思いをされた方とかがいらっしゃるんだなと思いました」 福島大学の学生(1年)「日常が震災でどういう風に変化していったのかなという部分を知れたのがよかった。自分の地域でも震災があったことを調べながら、自分も伝えていけるような立場になれればいいかなと思います」

学生たちは、このあと、震災の「語り人(べ)」として活動している青木淑子さんの話を聞きました。

青木さんは、「原子力災害はまだ終わっていない。それぞれの世代が今も直面している現実の問題」だと話し、学生たちは、震災と原発事故の教訓に真剣に耳を傾けていました。

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