大久保明・伊仙町長、今期で勇退 6期24年「人口増への取り組み進めた」

今期限りでの勇退を表明した大久保明伊仙町長

 鹿児島県伊仙町の大久保明町長(69)は5日、2025年10月30日の任期満了に伴う次期町長選に立候補せず、6期目の今期限りで勇退する意向を表明した。町議会の施政方針演説で明らかにした。

 大久保町長は「小規模校を残しつつ、人口を増やすための取り組みを進めてきた」と振り返り、残る1年半で物流拠点施設の建設とクルーズ船誘致などを目的とした「面縄港整備に予算を付けられるよう努めたい」と述べた。

 町内人口と交流人口の増加を掲げ、健康増進施設「ほーらい館」や闘牛場「徳之島なくさみ館」を整備。農福連携型障害者雇用の環境整備に道筋を付けた。

 報道陣の取材に「2年前に家族が急病で倒れたことがあり、今期限りと決めていた」と立候補しない理由を述べた。勇退後は島に残り「医療や福祉の分野で町の発展のために力を尽くしたい」と語った。

 伊仙町伊仙出身。鹿児島大卒。徳之島徳洲会病院長などを務め、県議1期目途中で転身し01年10月の町長選で初当選した。

【地図】伊仙町の位置を地図で確認する

© 株式会社南日本新聞社