復興へ元気届け 頑張ろう伏木願い番付表 伏木場所大相撲

林さん(左)と西さん(同3人目)が制作した番付表=高岡市伏木国分

 毎年9月に高岡市伏木地区で行われる伏木場所大相撲(富山新聞社共催)に向け、大会を主催する伏木相撲愛好会員は5日までに、番付表を完成させた。約30年、相撲字を書き続ける顧問の西廣志さん(80)=伏木国分=と、後継として制作に励む玉川部屋親方の林隆史さん(44)=伏木中央町=は、伏木復興の思いを込めた番付表で会員らに元気を届けるとともに、相撲字の普及に意欲を示した。

  ●4月、総会で披露

 番付表の大きさはA1判。太く、丸みがある独特な形の相撲字で、子どもから大人までの力士や役員ら312人の名前が隙間なく記されている。

 1991年から伏木場所大相撲の番付表を制作している西さんと、西さんの助っ人として3年前から相撲字を教わる林さんが、協力して番付表を作った。

 番付表は「令和六年能登半島地震 祈・被災地復旧復興 ガンバロウふしき」とのメッセージを記した。

 伏木地区は今年、能登半島地震の影響で道路や住宅の被害が多発した。西さんと林さんの自宅は大きな被害はなかったが、今も生活再建に励む会員もおり、2人は会員一人一人の顔を思い浮かべながら、思いを込めて字をしたためた。

 番付表は4月7日の総会でお披露目され、各相撲部屋や地域の支援者らに配布される。

 西さんは、年々上達する林さんの書きぶりに目を細め、「遊び心があり、物おじしない性格が字に表れている。これからが楽しみだ」と語った。林さんは、「番付表を見た人が、自分の名前を見つけて温かい気持ちになってくれるとうれしい。地域の子どもたちにも相撲字の魅力を伝えたい」と話した。

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