起き抜けの腰痛がしんどい…!!ウワサの〈神経系ストレッチ〉で痛みの根本原因までスッキリ改善!!

あらゆる痛みの症例を改善させ、多くの悩める人々を救ってきた、ストレッチトレーナー/理学療法士の兼子ただしさん。そんな彼の凄腕っぷりが存分に堪能できるYouTubeの収録スタジオに潜入!首の痛みや肩こり、腰痛などの「慢性疼痛(まんせいとうつう)」と呼ばれる人たちを、たった数分の施術で解消へと導く神業ぶりをご覧ください。

教習所実習のバイクの引き起こしでぎっくり腰に

ストレッチトレーナー/理学療法士の兼子ただしです。慢性疼痛、つまり慢性的な痛みがあることで日常生活に支障をきたしている人を一人でも多く救いたいと考え【神経系ストレッチ】を世に広めています。

▲僕のYouTubeチャンネル。

今回紹介する中島さん(57歳)は、半年前のぎっくり腰で腰痛を悪化させてしまい、介護職でかがむ姿勢が多く、仕事にも支障をきたして困っているとのことでした。

ちなみに、中島さんがぎっくり腰を発症させた原因は、教習所で実践したバイクの引き起こし。

失礼ながら、この年齢でバイク免許を取得しようとした経緯が気になってしまいますよね。なんと、息子さんが乗っていたバイクを譲ってもらったそう。息子よ、還暦目前の母親に手渡すとは…。発想がぶっ飛びすぎです。

腰痛解消のために通ったのは整形外科、接骨院、鍼灸院の3か所ですが、残念ながら完治することはなかったとのこと。

現在は薬局で販売されている腰痛の薬を気休めで飲み続け、腰にはコルセットを巻いて生活しているそうです。

腰痛よりも気になる!?ぽっこりお腹の立ち姿

症状と現状について聞き出したところで、まずは立った状態の姿勢を確認させていただきました。下腹部を突き出したような状態で、ぽっこりお腹が目立っています。

「背中をそらせると姿勢が良く見えると思っていた」そうですが、これは完全に間違った姿勢です。下腹部に力を入れて体全体が上にのびるように意識するのが正解。ぽっこりお腹も解消されて、より美しい立ち姿が実現します。

腰をかばってしまい、体が全然そらせていない!

次は腰の状態を確認させていただきます。まずは前屈から。

パッと見た感じでは平均的な前屈みのようですが、背中と肩が硬直しているところが気になります。少し手を加えれば、床まで指をつけることのできるポテンシャルはありそう!

ただし、上体そらしは大問題。腰の位置はほぼ変わらず、胸と顔がわずかに外側に向いているだけでした。

なお、痛みに関しては通常生活ではさほど支障はなく、朝の起床時が痛みのピークとのこと。これらのデータをもとに、いざ【神経系ストレッチ】開始です!

痛みの元凶はズバリ姿勢!長年の間違った姿勢で背骨にズレ

中島さんの腰痛悪化は、実は姿勢の悪さが大きく関係していました。ぎっくり腰は腰痛悪化の引き金に過ぎません。

間違った姿勢で生活することで背骨が徐々にズレてしまい、腰に不具合を生じさせます。

さらにお腹を触ってみると、内臓に通っている神経にも硬直が見られました。ここが固くなってしまうと内臓が前方に傾き、腰を引っ張るような状態に。正しい位置に腰が定められなくなり、結果として腰を悪くさせてしまいます。

首周辺の神経を刺激して背骨の緊張をときほぐす

これらを考慮して、まずは耳後ろから鎖骨に向かって斜めにのびる胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のストレッチから始めます。

腰の痛みに関係のない部位と思われがちですが、彼女のように背骨に力を入れすぎている人は、首の可動域にも悪影響を与えます。

実際、先ほどの上体そらしでも、顔を上にしただけでした。首を左右にしっかり動かしてストレッチ。

巻き肩を補正しながら肋間神経に指を入れる

次は肋間(ろっかん)神経の下位部分です。

こちらは肩にアプローチする施術ですが、先ほどの姿勢で肩が内側に入り込んだ姿勢のため、こちらもくまなくストレッチ。

穏やかな中島さんの表情が歪み始めてきました。

背骨と腰は「座り」&「仰向け」の2パターンでストレッチ

ここからは本題の背骨と腰を徹底的に施術します。

【神経系ストレッチ】を行う部位は副歴攣縮(ふくれきれんしゅく)です。お腹の中央に集まる内臓を囲むように張り巡らされている神経で、腰の痛みに大きく影響を与えます。

ストレッチ法としては、腰の痛い位置とは真反対を押すことがポイント。

これら一連の流れをまずは座った状態で行い、その後はベッドに寝てから再度ストレッチ。

痛みが強い部位を集中的に押したり背骨をそらしたりなど、さらなるメソッドを加えながら約5分程度で施術を終わらせました。

自宅でもできる【神経系ストレッチ】で正しい姿勢をキープ

施術後の中島さんに最初にお願いしたのは立ち姿勢。すると、お腹を突き出した姿勢から一変、ほぼ真っ直ぐな状態の姿勢になっていました。

もちろん、正しい姿勢を教えたつもりはありません。【神経系ストレッチ】をすることで、正しい姿勢へと導くことができた証拠です。

とはいえ、また背骨に力の入った状態でしたので、そこは言葉で簡単に説明を。飲み込みの良い彼女は、あっという間に正しい姿勢をマスターしたようです。

前屈みは指先が床に。上体そらしも平均値をクリア!

次は腰の可動域の確認へ。前屈みはたった1回の施術で指を床につけることができました。さらに背中と肩の硬直も解消されて、体がグンと柔らかくなった印象です。

問題の上体そらしは腰から真っ直ぐにそらせることができて、同時に首も外向きに。さらに腰の痛みもなくなり、無事解決となりました。

ちなみに中島さんは未だバイク免許が取得できておらず、最終試験では再度バイクの引き起こしがあることを知らなかったそう。

かつてヤンチャしていた私は、当然バイクの扱いもお手のもの。正しい引き起こし方もレクチャーさせていただきました。

「バイクの運転も夢ですが、体が動く限りは介護職を続けたい」とおっしゃっていた中島さん。実は自分でも【神経系ストレッチ】はできます。これからの生活習慣に取り入れて、健康的な毎日を過ごしてもらいたいですね。

自分でできる神経系ストレッチのやり方はこちら↓

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【教えてくれたのは】

ストレッチトレーナー/理学療法士 兼子ただし(かねこ・ただし)●早稲⽥⼤学⼤学院スポーツ科学科修⼠号取得。2001年に日本初のストレッチ専門店『SSS』を開業し、ストレッチ業界のパイオニアとして、長年にわたり活躍。独自に開発したKanekoストレッチは、国士舘大学との共同研究や早稲田大学大学院にて研究を重ねるなど、その効果を科学的に追究している。理学療法士としての研究から、慢性的な疼痛やしびれなどにアプローチする新たなストレッチとして、神経系ストレッチを開発。公式YouTubeチャンネルでは、病院では治らずに長年の痛みに苦しんでいる人々を瞬時のストレッチで救い、大きな話題となっている。

取材・文/三輪順子 撮影/柴田和宣(主婦の友社)

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