鳥栖商高生に市長が感謝状 無人駅のトイレ維持へ清掃協力

向門慶人市長(右)から感謝状が贈られた(左から)池田勝校長、本田蒼汰さん、緒方里咲さん、黒田舞さん=鳥栖商業高

 維持管理コスト削減のため一度閉鎖された無人駅のトイレを維持するため、トイレの清掃協力を続けている鳥栖市の鳥栖商業高の生徒たちにこのほど、向門慶人市長から感謝状が贈られた。

 同校の近くにあるJR肥前麓駅は無人駅で、JR九州は2022年春、コスト削減を目的にトイレを閉鎖した。地元住民の強い要望を受けて市が週2回清掃し、水道代や消耗品の費用を負担する形で同年8月に利用が再開された。

 同校は現在、生徒約460人のうち半数が電車通学するなど駅利用者が多い。当時の生徒会が「市役所だけに任せるのは申し訳ない」と協力を申し出て、22年9月から清掃を続けている。

 現在は週2回の清掃を同校と市で1回ずつ分担。各学級のボランティア委員2人と美化委員2人、生徒会役員2人の計6人で当番を組み、希望参加者も加えて毎回10人ほどで行う。駅を利用しない1年生がこれまで10回以上参加するなど、生徒の自発性にも支えられて活動を続けている。

 向門市長が同校を訪れ、生徒会長の緒方里咲さん、ボランティア委員長の黒田舞さん、美化委員長の本田蒼汰さん(各2年)に感謝状を手渡した。緒方さんは「先輩から活動を引き継ぎ、みんなが参加してくれるので続けることができている」といい、市の感謝状に「やっていて良かったと思えるし、活動に自信が持てる」と話していた。(樋渡光憲)

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