日米親善人形が“3姉妹”に 布で手作り「ベッツィー」 米国の市民、長崎・島原第一小へ贈る

島原親善人形の会の北田事務局長から、「ベッツィー」を受け取る島原市立第一小の児童代表。後ろに置かれているのは、「リトル・メリー」(向かって右)と「ジョアンナ」(同左)=同校

 時代を超え、日米親善人形が“3姉妹”に-。戦前に米国から贈られた「青い目の人形」と、21世紀になって贈られた「友情人形」がある長崎県の島原市立第一小(平田賢校長、475人)に1日、新たな友情人形が仲間入りした。同校で贈呈式があり、児童は米国市民が手作りした布製の「ベッツィー」をなでたり抱いたりして、3体とも大切にすることを誓った。
 「ベッツィー」は、米オハイオ州ウィルミントンの市民から、日米人形交流研究者の宮崎広和氏=米ノースウエスタン大教授=を通じて市民グループ「島原親善人形の会」に託された。布製の顔には、つぶらな青い目が描かれ、髪の毛として茶色の毛糸が縫い付けられている。添えられたカードには「私は愛を込めて作られました」「平和、希望、愛を届けにきました」と記されていた。
 贈呈式は2体の人形の前であり、同会の北田貴子事務局長(56)が児童代表にベッツィーを手渡した。4年の吉武真彩(まあや)さん(9)は「抱くと暖かかった。メリーちゃんたちのように大切にしたい」と話した。
 日米親善人形は昭和初期、日米関係の悪化を憂えた米国人宣教師、ギューリック1世が提唱。日本の子どもたちに約1万2700体の「青い目の人形」が贈られた。同校には、1927(昭和2)年に贈られた「リトル・メリー」と、孫のギューリック3世が2005年に友情人形として贈った「ジョアンナ」が保管されている。

 同会は20日~4月7日、同市城内1丁目の島原城観光復興記念館で、ベッツィーを含め島原に7体ある日米親善人形を展示する「青い目の人形~リトルメリーと仲間たち」展を開催する。入場無料。同会(電0957.64.4300)。

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