輸出、開発活発に協議 富山県薬連が台湾企業と商談

富山県と台湾の医薬品関連企業が参加した商談=台北市内のホテル(水口慶彦撮影)

  ●台北で交流訪問団

 【台北=水口慶彦】富山県薬業連合会の台湾薬業交流訪問団は6日、台北市内のホテルで、台湾医薬品連盟の会員企業9社との商談に臨んだ。富山の製薬企業の代表者は自社製品の輸出に加え、開発や製造の調整、新製品の共同開発など多岐にわたるテーマを活発に協議。2018年に覚書を締結した台湾側との新たなビジネスの可能性を探った。

 県薬連は18年、台湾の財団法人「医薬工業技術発展センター」と覚書を締結し、情報交換など連携を深めてきた。商談にはセンター傘下の台湾医薬品連盟に加盟する製剤や原薬メーカー、医薬品開発業務受託機関(CRO)、医療機器メーカーが参加した。

 射水市に事業本部を持つ救急薬品工業(東京)は製剤とCROの4社と商談。訪問団長の稲田裕彦社長は台湾企業と開発・製造のキャパシティーを互いに調整できないか話し合ったとし「次につながる有意義な場になった」と話した。

 製剤や原薬メーカー、CROと商談したダイト(富山市)の大津賀保信社長は「台湾のレベルの高さを感じた」と述べた。同社は既に台湾企業5社と取引があるが、「まだやっていない分野でコラボの可能性を感じた」と期待を寄せた。

 3社と商談した富士化学工業(上市町)の西田洋社長は「互いのリソースを活用できないか意見を交わした」と話した。台湾企業がマーケティングを行い、同社が開発を担うケースが想定されるとし、「良いパートナーが見つかればビジネスチャンスになるかもしれない」と見通した。

  ●「国際市場開拓を」 台湾経済部と昼食会

 商談に先立ち、日本の経済産業省に当たる台湾経済部の関係者を交えた昼食会が開かれた。同部産業発展署の林育諄科長は「台湾と富山県の医薬産業で国際市場をともに開拓し、より多くの成果を生み出してほしい」と期待を寄せた。

 医薬工業技術発展センターの蘇慕寰董事長は「コロナ後最初の訪問先に台湾を選んでもらい感謝している」と歓迎し、県薬連の大津賀副会長が「今回の訪問が双方の医薬品産業の発展につながることを願っている」とあいさつした。

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