男女格差は今も根強く…「ジェンダーギャップ指数」鹿児島は行政、教育、政治の3分野で下位に沈む

 上智大の三浦まり教授らでつくる「地域からジェンダー平等研究会」は8日の国際女性デーに合わせ、男女平等度を「政治」「行政」「教育」「経済」の4分野で分析した2024年の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」を公表した。鹿児島県は経済を除く3分野で下位に沈み、格差が際立った。

 政治(指数0.16)は36位と上昇したが、行政(同0.237)は43位、教育(同0.547)は42位と低迷。経済(同0.429)は17位と横ばいだった。いずれの分野も平等を示す指数「1」にほど遠かった。

 23年の46位から躍進した政治は、昨年春の統一地方選で女性県議が倍増し「都道府県議会の男女比」で5位になったことが要因となった。三浦教授は「意思決定の場に男女が均等に入っていくことは重要。女性議員が増えて県政がどう改善したのか、男女が認識すると次につながる」と指摘した。

 一方で女性の知事が誕生したことがなく、女性の国会議員と市町村長がいないことが響き全体で30位台にとどまった。

 行政は38位から順位を下げた。「都道府県庁の大卒程度採用の男女比」は昨年改善したものの、今年再び差が開き28位。三浦教授は「採用の時点で女性が少ないと管理職も増えていかない」と警鐘を鳴らした。

 このほか「都道府県職員の育休取得率の男女格差」41位、「市区町村防災会議の男女比」45位などと低調だった。

 教育は44位から二つアップ。校長の男女比は中学校で改善したものの、小学校と高校は伸び悩んだ。「4年制大学進学率の男女差」は3年連続44位。

 経済は指標を見直したため単純比較できないが、16位から一つ順位を落とした。新たに加わった「就業率の男女差」は9位。「フルタイムの仕事に従事する男女間の賃金格差」は男性の賃金が下がったのに対し女性が上がり、18位に上昇した。

 今年から漁協役員を追加した「農協・漁協役員の男女比」は31位。農協は男性253人に対し女性が34人、漁協は男性341人に対し女性4人と格差の大きい現状が浮かんだ。

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