松井裕樹の回復状況に現地メディアも熱視線 ブルペン投球再開も「これ以上の後退は彼の状態を危うくする」と冷静な見解も

調整を続ける日本人左腕の動向が伝えられている。

今季よりサンディエゴ・パドレスの一員となり、先月下旬に背中の張りを訴えていた松井裕樹が、現地時間3月5日にブルペンで投球を行なったことを専門メディア『Inside The Padres』が報じた。
3月6日に配信となった、松井の近況を伝えるトピックの中では、地元紙『San Diego Union-Tribune』からの情報を引用する形で、「マツイはスプリッターを何度も投げ、20球のセッションを30球まで伸ばしたが、すぐに悪い影響は見られなかったという」と投球を行なった様子を綴っている。また、松井本人による「気分はすごくいい。痛みや不安はないし、ブルペンでためらうこともない。本当に調子が良くて、思い通りの投球ができた」と語ったコメントも掲載している。

メジャーで初のスプリングトレーニングを過ごしていた松井は、先月22日のロサンゼルス・ドジャースとのオープン戦で1イニングを打者3人で抑える、上々の“実戦デビュー”を飾った。しかし、その後、異常を訴え、25日に予定されていたシカゴ・カブス戦の登板を回避。以降は練習でもチームの全体メニューとは別に、回復に努めていた。

久々のブルペンでのピッチングを行ない、松井自身からも復調への手応えを窺わせる言葉が発せられている。現地レポートの中にも予定以上の球数をこなしたことも記されており、ここからは一層、実戦マウンド復帰への期待も膨らむ。

また、松井の回復状況には、メジャー公式サイト『MLB.com』からも視線が注がれている。同メディアは3月6日、開幕が迫るパドレスのチーム状態を論じる特集記事の中で、松井の現状についての見解を記している。

トピックでは、「ユウキ・マツイはパドレスの春の初戦で、対戦した3人の打者全員を三振に打ち取り、ドジャースのギャビン・ラックスに“Pretty damn good”と言わしめた。その後、マツイは怪我をした」とオープン戦初登板が好結果だったことを振り返るとともに、「マツイを開幕に間に合わせるのは時間との戦いだ。今現在、彼はその競争に勝つための軌道に乗っているように見える」と指摘。その上で「しかし、これ以上の後退は彼の状態を危うくするだろう」と今後を見通している。

パドレスのシーズン開幕戦まで残り2週間となり、ここからさらにチームは本番仕様へと仕上げられていく。その中で、リリーバーとしての活躍が見込まれる松井の2度目の登板は、どのタイミングで訪れるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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