志賀原発の被災設備初公開 北電、変圧器の復旧時期調査

能登半島地震で損傷し、修理中の北陸電力志賀原発の2号機主変圧器=石川県志賀町

 北陸電力は7日、能登半島地震で被害を受けた志賀原発(石川県志賀町、停止中)の構内を、地震発生後初めて報道陣に公開した。志賀原発は地震の影響で2号機主変圧器が故障し、外部電源の一部が使えない状態が続いている。取材に応じた中田睦洋原子力部長は「主変圧器は内部点検を終えたばかり。復旧にどれくらいの時間がかかるのか調査している段階」と述べた。

 この日は、絶縁油が漏れた1、2号機の変圧器計2台のほか、地震対応の拠点となった緊急時対策棟、地震後の試運転で自動停止した非常用ディーゼル発電機、地震の揺れで水があふれた使用済み燃料貯蔵プールなどが公開された。

 北電によると、2号機の主変圧器は2月に内部点検を終えたばかりで、復旧に向けて補修方法などを検討している。2号機のタービンについても地震の影響を調べており、これらの結果を踏まえて復旧見通しを立てるという。

 1号機の起動変圧器は、6台ある放熱器のうち1台が損傷し、2月に仮復旧した。今後、全ての放熱器を取り換え、早ければ8月に完全復旧する。

 報道陣から公開が地震発生から約2カ月後になったことを指摘されると、中田部長は「余震リスクが高く、インフラ復旧も進んでいなかったため、安全面に配慮した」と説明した。

 能登半島地震では、志賀町で震度7、1号機地下で震度5強を観測。2号機主変圧器が損傷し、5系統ある外部電源のうち2系統が現在も使えなくなっている。変圧器から漏れた油が海に流出するなどトラブルも相次いだ。核燃料の冷却や外部への放射能の影響はないという。

報道陣の取材に応じる中田部長(左)と吉田進土木建築部長

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