若鶴(砺波)産業観光を強化 「大正蔵」改修、もてなし充実

ミズナラの廃材を活用した大正蔵のカウンターに立つ稲垣社長(左)=砺波市三郎丸

 若鶴酒造(富山県砺波市三郎丸)は、16日の北陸新幹線敦賀開業に合わせ、産業観光を強化する。ウイスキー人気で年々増える見学者のもてなしを充実させるため、物販・交流施設の「大正蔵」を約10年ぶりに改修した。稲垣貴彦社長が8日、同社で発表した。

 土蔵造りの伝統的外観の大正蔵は1922(大正11)年、日本酒造りの拠点として造られた。現在は産業観光の拠点となり、イベントにも使われる。

 改修は、職人集団のコラレアルチザンジャパン(南砺市本町、山川智嗣代表取締役)が手がけた。レジや見学者の受付がある開放的なカウンターには、ウイスキー造りを行う三郎丸蒸留所で使われる地元産ミズナラの廃材を活用。新設した入り口のコンクリートは杉板のような模様にし歴史的建造物との調和を図った。年内にはブレンド体験ワークショップを始める。

 三郎丸蒸留所など見学施設の2023年度(22年10月~23年9月)の来場者は2万8500人で、見学に伴う売上高は1億1060万円といずれも最多となった。

 稲垣社長は「新幹線延伸で盛り上がる1年。より多くの人にウイスキーや富山の魅力を知ってもらいたい」と話した。

キッチンカー導入、人気ウイスキー販売

 若鶴酒造は、缶入りの人気商品「ハリークレインズ 三郎丸蒸留所のスモーキーハイボール」を販売するキッチンカーを導入した。県内外のイベントに出展し、ウイスキーの魅力をPRする。

 外観は商品と同じ黒色を基調とした。石川県小松市で15、16の両日開かれるイベントでデビューする。

若鶴酒造が導入したキッチンカー

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