ロケット打ち上げ延期 機体に問題なし 次回は3月13日以降 

串本町にある民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」からきょう午前11時1分に予定されていた小型ロケット「カイロス」1号機の打ち上げは、延期となりました。宇宙事業会社のスペースワンは、次回の打ち上げについて、3月13日以降とし、原因については、事前に周知していた警戒区域に船舶が入っていたためとしました。

打ち上げ延期について説明する阿部執行役員(2024年3月9日・ホテル浦島で)

打ち上げ後に記者会見する会場となっていた那智勝浦町にあるホテル浦島のコンベンションセンターでは、宇宙事業会社・スペースワンの阿部耕三(あべ・こうぞう)執行役員が登壇し、午後2時から状況を説明しました。

この中で、阿部執行役員は、打ち上げ延期の理由について、「事前に周知した警戒区域の深いところに、発射の10分前になっても船舶が一隻とどまっていることをレーダーなどで確認したため、監視船を向かわせて対応したものの、最終的に午前11時1分から17分までの打ち上げ時間帯に船舶が区域内にいたままだったため、きょうの打ち上げを中止した」と説明しました。

警戒区域は、浦神半島を中心として東西南北の四方数キロの範囲で設定されていたということです。

現在のところ、船舶が停留していた理由は不明で、「打ち上げの延期は、ロケットの機器のトラブルではない」と強調しました。

次回の打ち上げについては、海外で有人宇宙船の帰還予定があることから、「3月13日以降になる」という見通しを発表しました。関係機関と調整した上で、少なくとも打ち上げの2日前には公表するということです。

阿部執行役員は、「今回、中止になったことについては、我々としても非常に遺憾。社員一同、関係者の皆さんも含めて民間初の快挙を実現したいという思いで取り組んでいるので、次回は海上警戒区域からの退避時間を早くするなど今回の反省を生かし、次こそは期待に応えられよう全力を尽くしたい」と決意を語りました。

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