「同僚より速いことを証明した」予選9番手の角田裕毅に専門メディアはチーム内対決での優位性を強調!「他チームとの戦いを念頭に置いている」

2024年F1第2戦のサウジアラビア・グランプリは3月8日に予選が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅はQ3進出を果たし、9番手につけている。

フリー走行(FP)2回目でベストタイムが全体11番手という上々の結果を残した翌日、角田はFP3で18周回を重ねて1分29秒572(13番手)を計測。そして迎えた予選では、10番手となる1分28秒988で余裕をもってQ1に突破すると、続くラウンドでは1分28秒564で8番手に入って目標のQ3進出を果たし、最終ラウンドでは1分28秒547のベストタイムを叩き出し、レースでは5列目のグリッドに並ぶこととなった。

自身のSNSで今季初のQ3進出を喜び、「ハイスピードサーキットでかなり楽しめました」と投稿した彼は、チームの公式サイトでも「やりました! 今日はとても満足しています。チームは素晴らしい仕事をして良い車を用意してくれて、僕はそれを楽しめました。彼らには本当に感謝しています」と、満足感とチームへの気持ちを表わした後、以下のように続けている。

「予選は難しいものになると予想しており、僕は車から可能な限りのパフォーマンスを引き出そうと集中しました。だから、全てを上手くまとめられたことを嬉しく思います。今季最初のQ3進出で、これは今後に向けて大きな自信を与えてくれます。今日はとても楽しめましたが、明日は簡単にいかないと思うので、今からレースに集中しています。我々には経験豊かな人たちがたくさんいるし、パッケージを最大限に活かしてポイントを獲得できるはずだと自信を持っています」

また予選後のインタビューでは、「こんなに素晴らしい車で、今季初めてQ3に進めて本当に満足しています。メカニックたちを含め、チームのみんなが笑顔でいるのを見るのは素晴らしいことです」と喜びを示し、レースについては「簡単ではありません。アストンマーティンとフェラーリが後ろにいる中で、戦略と僕のパフォーマンスがマッチしなければなりません。また、ハースも速いと思います」と慎重な姿勢を崩していない(オーストリアのスポーツ専門誌『MOTORSPORT MAGAZINE.COM』より)。

ただ、ポイント獲得の可能性を問われると、「もちろん可能です。我々のパッケージから最大限のものを引き出す必要がありますが」と答え、「このコースではオーバーテイクが簡単ではないので、それが我々にとって有利になることを願っています」と、自信と楽観的な見方も垣間見せて、「長いレースになると思いますが、できる限りのことをします」と意気込みを示した。
RBのマシンパフォーマンスの責任者であるギョーム・ドゥゾトゥーは、「ユウキにとっては非常に良い予選結果となり、Q3に進出し、ランス・ストロール(アストンマーティン)を上回る9番手を確保できた。セッションを通して車には一貫性が感じられ、シングルラップに集中し、トラフィックの影響を受けることなく、トラックエボリューションに上手く適応するという我々のプランが非常によく機能した」と、ポジティブに振り返っている。
Q2敗退で14番手に止まったチームメイトのダニエル・リカルドからも「ユウキはよくやった。素晴らしい仕事をしてくれた!」との賛辞を贈られた角田について、現地メディアの報道を見ると、前出の『MOTORSPORT MAGAZINE.COM』は、「角田は先週も今週も、リカルドを予選で打ち負かした。ジッダでのレースでは、彼はチームメイトではなく、他チームのライバルとの戦いを念頭に置いている」と綴った。

一方、オランダのF1専門サイト『GRAND PRIX RADIO』も、「先週のレースではリカルドとの間に争いが勃発した角田だが、今回、日本人ドライバーはチームメイトよりも速いことを証明した。彼は決勝を9番グリッドからスタートできるのに対し、リカルドは14番手に止まることを余儀なくされた」とチーム内対決に言及している。

構成●THE DIGEST編集部

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