抜群のスタートを見せた王者バニャイアがライバルを寄せ付けず開幕戦を制す/第1戦カタールGP決勝

 ロサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたロードレース世界選手権第1戦カタールGP。3月10日に行われたMotoGPクラスの決勝レースは、昨年の王者フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が制し、3連覇へ向けて最高のスタートを切った。

 最終日を迎えた開幕戦のカタールGP。決勝レース前のウォームアップ走行ではマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)がトップタイムをマーク。2番手にマルコ・ベゼッチ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)、3番手にラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)が並んだ。

 シーズン中、唯一のナイトレースで行われるカタールGP。MotoGPクラスの決勝レースは現地時間20時にスタートが予定されていたが、各車がスターティンググリッドに着きグリーンフラッグが振られたところで、ラウル・フェルナンデスがマシントラブルによるものか、エンジンストールをアピールし仕切り直し。

 決勝レースは1周減算の21周に変更され、ラウル・フェルナンデスはスペアマシンに乗り換え、最後尾からのスタートとなった。

 スタートが切られるとホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)がホールショットを奪い、2番手にブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、3番手にバニャイアが続く。

 好スタートを見せたバニャイアは、その勢いでビンダー、そしてトップのマルティンを交わしオープニングラップを制する。

 マルティンは、ビンダーにも交わされ3番手まで後退。マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が4番手で追う状況となった。

 後方ではルーキーのペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)がファステストをマーク。早々にエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)をも捉えて5番手まで浮上する。

 4周目、マルティンが2番手を奪い返すも、ビンダーがぴたりと背後に迫りテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられる。その間にバニャイアはじわじわと逃げ始め、レース折り返し頃には約1秒ほどのリードを築いていた。

 第2集団はビンダーが先頭に代わり、3番手に後退したマルティンはなかなかペースを上げられずにいた。勢いに乗るアコスタはマルク・マルケスを捉えて4番手にポジションを上げ、マルティンに迫っていく。

 しかし、オーバーランでマルク・マルケスに交わされると一気にペースダウン。表彰台争いから脱落してしまう。

 4番手に浮上したマルク・マルケスもマルティンには迫ることができず、上位争いはこう着。悠々とトップを快走したバニャイアは、ライバルを寄せ付けず開幕戦を制した。

 ビンダーはマルティンの追撃に屈することなく2位。スプリントで勝利したマルティンが3位でフィニッシュ。マルク・マルケスは4位、中盤に猛烈な勢いを見せていたアコスタは最終的に9位まで順位を下げる結果となり、悔しいデビュー戦となった。

 日本メーカーはヤマハのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が11位、ホンダのヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)が12位、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が13位でポイント獲得。中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は19位で終えている。

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