悩む先生支えたい 富山の元教員・関根さんがオンライン講座開講、対話で解決探り離職防ぐ

教職員らの悩みを聞き、一緒に解決方法を探るオンライン講座を開講した関根さん

 富山市太郎丸本町の関根ともえさん(51)は、教職員や保育士から悩みを聞いて一緒に解決方法を探るオンライン講座を開講している。自身は県内の特別支援学校で家庭科の教員を務めた。こうした経験も生かし、教職員らの意欲向上のほか離職防止につなげる。

 講座名は「先生コーチング by TCS」。一般社団法人トラストコーチング(東京)がコミュニケーション能力向上を目指して提供しているプログラムを受けて開講した。

 関根さんは茨城県出身で、27歳の時に富山に来た。その後結婚し、子育てと仕事の両立に悩んでいたところ、友人の紹介で同法人のコーチングプログラムに参加。「対話によって相手に寄り添うことができる技術に心を打たれた」と振り返る。2019年にコーチの資格を取得。以来、児童クラブの支援員や子育て中の保護者らの声に耳を傾けてきた。

 文部科学省の調査では、22年度に全国の公立小中高校と特別支援学校で精神疾患を理由に休職した教員は前年度より約640人増え、6500人を超えた。総務省によると、自己都合などによる退職者も増加傾向にある。今回の取り組みを通して教職員が働きやすい環境を整え、離職を防ぎたい考えだ。

 講座は1月からスタート。マンツーマンでの対話を通し、職場の人間関係や仕事と子育ての両立など幅広いテーマで相談に乗る。関根さんは「心に余裕がある先生から学んだ子どもたちは豊かに育つ。まずは、県内の先生たちが少しでも前向きになれるように応援していきたい」と語った。

 講座は1回30分で3千円。完全予約制。

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