東日本大震災きょう13年 高校生ら被災地思い黙とう 長崎・爆心地公園

被災地に思いをはせて黙とうした高校生ら=長崎市松山町

 東日本大震災13年を前に、長崎市松山町の爆心地公園で10日、平和活動に取り組む高校生ら11人が、被災地に思いをはせて献花し、黙とうをささげた。
 集会は市民団体「福島と長崎をむすぶ会」などが震災翌年から毎年開催。通学のため11日午後2時から開く集会に参加できない高校生らが出席した。
 高校生1万人署名活動実行委員会のメンバーで活水高1年の島田朱莉さん(16)は、2011年まで宮城県名取市に在住。当日は長崎市の母の実家にいた。震災前後に経験した地震の恐怖や、津波によって一変したまちの姿を覚えているという島田さんは「記憶は風化する。自然災害は防ぎようがないからこそ、過去を忘れず備えることが大事」と話した。
 第25代高校生平和大使で県立長崎東高2年の安野美乃里さん(17)は、昨年1月に研修で訪れた岩手県でのできごとを報告した。震災で両親を亡くした同県出身の元平和大使から「『今の岩手を伝えてほしい』と言葉をかけられた」と述べ、復興の状況を伝える重要性を強調。「原爆も同じ。当時の記憶だけでなく、復興についても語り継ぐことが過去の負の歴史を二度と繰り返さないために必要」と声に力を込めた。

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