「危険性が忘れ去られようとしている」市民団体が浜岡原発再稼働反対を訴え 国の要請で停止…審査長期化で再稼働のメド立たず

2011年に発生した東京電力福島第一原発の事故から13年。静岡県内の市民団体は、2024年元日に起きた能登半島地震も例に挙げ、浜岡原発の再稼働反対を訴えました。

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3月11日、市民団体が静岡県に手渡したのは、中部電力浜岡原子力発電所に関する要請書です。南海トラフ巨大地震で原発事故が起きた場合の避難計画などを問うとともに、浜岡原発の再稼働反対をあらためて訴えました。

<菅直人総理(2011年当時)>
「原子炉の運転停止を中部電力に要請しました」

福島第一原発の事故を受け、当時の民主党政権は浜岡原発の運転停止を要請。全国で唯一、国の要請によって運転を停止している原発です。

中部電力は、3号機と4号機の再稼働を目指して、防潮堤をかさ上げするなどの対策を実施。原子力規制委による安全基準の審査を受けています。これまでの審査で耐震設計の目安となる最大の地震の揺れなどの評価は終わっていて、想定される津波の高さの評価もまもなく算定される見通しです。

しかし、審査は長期化していて再稼働のメドはたっていません。また、万が一の原子力災害を想定して、県などは広域避難計画を作成してきましたが、御前崎市民などから「不十分」といった声があるのも事実です。

<浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク 鈴木卓馬さん>
「福島の事故から13年経った今、やはり原発に対する危険性というのが忘れ去られようとしているという中での能登半島地震でした」

浜岡原発の再稼働に反対する市民団体は、能登半島地震の状況を踏まえ、道路の寸断や建物の倒壊など避難が難しい中で原発事故が起きた場合の危険性を訴えました。

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