「命は一番大切」地震が来たら警察官が率先して逃げる…変わる津波対策 東日本大震災から13年

東日本大震災の発生から3月11日で13年。静岡県内でも黙とうが捧げられました。
2024年は能登半島地震も発生していて、多くの命が奪われた震災の教訓を改めて見直す動きを警察が加速させています。

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静岡市葵区の松坂屋静岡店で開かれている「東北物産展」。活気に満ちた会場が11日、ひと時の静寂に包まれました。午後2時46分、13年前、激しい揺れに見舞われた時間に黙とうがささげられました。

<回進堂 菊地清社長>
「参るね、あっという間。13年。この間のような気がする。でも、生きててナンボだし、亡くなった人の分まで頑張れないといけない」

13年前の震災では災害関連死を含め、死者・行方不明者が2万2,000人余りの被害が出ました。悲劇を繰り返さないため、命を救うための取り組みが進められています。

6日、静岡県袋井市の幼稚園で行われたのは津波避難訓練。津波避難タワーへ、園児を誘導したのは警察官です。東日本大震災では、数多くの警察官が避難誘導などの際に津波に巻き込まれて、命を落としました。このため、警察官が率先して逃げることで住民に避難を促す狙いがあります。

<袋井警察署警備課 杉本嘉和課長>
「命は一番大切。警察官を見て、多くの方が警察官が逃げているから警察官についていこうと逃げていただければそれが一番良いことだと思います」

いまは、能登半島地震の教訓を踏まえた対策も進めています。能登半島地震では、道路が甚大なダメージを受けて被災地に到達するのに時間がかかりました。そこでカギとなるのが空からの活動。廃校のグラウンドを臨時のヘリポートにして人員を運びます。

<社会部 竹川知佳記者>
「しかし、ヘリの救助活動で課題となるのが持ち込める機材の制限です」

重量制限のあるヘリコプターでは、人は運べても機材は運べません。そこで考えたのが現地調達です。

<下田警察署員>
「こんにちは、下田警察署です。ご協力のお願いで伺いました。災害時にこのあたりの地域は孤立地域となる可能性があるので、もしそうなった際には、移動手段がないということで、ホテルや旅館事業者さんのバスをかしていただきたい」

静岡県警では、地元の宿泊施設や土木業者に呼びかけを実施。災害時の警察官や避難者の移動手段として、送迎バスや土砂の撤去や道路の舗装などに使う重機を貸してもらえるよう協力を仰いでいます。

<静岡県警警備部 眞野義文参事官>
「東日本大震災の際の最も大きな教訓というのは、津波からの避難だと思います。とにかく自分が今まで感じたことないような地震が発生した場合には、とにかく早く逃げる、高い所へ遠くへ。これを県民の皆さんに認識していただけるような訴えかけを今後も継続して参りたい」

静岡県は常に南海トラフ巨大地震のリスクと隣り合わせにあります。過去の教訓を忘れずに自分にできることは何か、備えへの関心を持ち続けねばなりません。

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