【ガーデニング】同じような印象にならないようにするには? 吉谷桂子さんの寄せ植え作りQ&A

ひとつのコンテナに魅力的な植物世界を描き出す吉谷桂子さんの寄せ植え。植物選びからメンテナンスに至るまで、吉谷さんが実践している寄せ植え作りの基本の考え方とは? 今回は「どんな苗を選んだらよいかわからない」「同じ印象の寄せ植えにならないようにするには?」の2つの疑問にお答えいただきました。

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Q 園芸店に行くと、苗がたくさんあって何を選んだらよいかわからなくなります

A 存在感のある主役と引き立てじょうずな脇役を見きわめて

難しく考えないで、まずお気に入りを探しましょう。お気に入りを選んだら、それが寄せ植えの主役になる植物か脇役か、大きさや色から冷静に判断します。

主役になるものにはそれを引き立てる脇役を選びます。脇役向きの植物にはごく平凡な植物から主役級を選んでください。こういう段階を踏むと、組み合わせる植物が選べます。

気に入った植物が地味でも平凡でも、引き立てる植物は必ず見つかるはずです。

ドーム型にまとまって咲くゼラニウムは存在感のある主役。こんもり茂るミントの葉や空間を埋めるロベリアは脇役。

Q 気がつくと、花が小さな植物ばかり選んでしまって、いつも同じような印象の寄せ植えになってしまいます

A 視線を集める主役の投入で、大好きな小花がさらに愛らしく

女性は小花が好きですよね。私も小花好きですが、尊敬するイギリスの造園家ベス・チャトーさんはつねに「アイ・ストッピングを用意しよう」と言います。

アイ・ストッピングとは好き嫌いにかかわらず、本能的に人の目が留まる植物のことです。彩度の高い色で花径の大きな花、または葉っぱでもOK。いわゆる主役になる植物で、アクセントプランツとも呼ばれます。

これに対して小花は空間を埋めるフィリングプランツで、脇役になる植物。お気に入りの小花に対して、この時期ならオステオスペルマムやジニアなどのアクセントプランツはどうでしょう?

見慣れた花でも組み合わせによって見違えるほど素敵になるので、先入観をもたずに主役を選んでみましょう。

最も視線を集めるラナンキュラスがアイ・ストッピング。二番手のクリスマスローズとともに、小花のプリムラ ‘ウインティー’ との対比が鮮やか。

撮影/吉谷桂子

※この記事は『園芸ガイド』2013年春号の記事をWEB用に再編集したものです。


監修者
英国園芸研究家 吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。英国暮らしの経験を生かしたガーデンライフを提案。「中之条ガーデンズ」「はままつフラワーパーク」など各地の庭を手がけ、また、ガーデニングプロダクトの企画、デザインも行っている。『花の楽しみ 育て方飾り方』(主婦の友社)など著書多数。

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