DV被害者の住所を市が漏らす 避難費用など30万円を負担 兵庫・丹波

丹波市役所本庁舎=丹波市氷上町成松

 ドメスティックバイオレンス(DV)などの被害防止のため、情報開示の制限対象となっている住民の住所を、丹波市が対象者の親族に漏えいしていたことが12日、分かった。住民は避難の必要が生じ、市が避難費用と慰謝料計約30万円を支払ったという。

 総務省によると、DVやストーカー行為などの被害者は、市区町村に対し、情報を開示しない事務処理上の支援措置を申し出ることができる。住民票閲覧などの請求があっても、拒否する措置が講じられる。

 丹波市財務部によると昨年6月、支援措置対象者の親族から「納税通知書が届かない」と問い合わせがあり、同部職員がやりとりの中で、対象者の住所を漏えいした。関係者によると、対象者に身体上の被害などは発生していないという。

 市は12日の市議会議会運営委員会で、漏えいの被害者に専決処分で賠償したと明らかにした。市は取材に「デリケートな問題のため詳細の説明はできない」としている。(那谷享平)

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