中3いじめ被害「重大事態」認定 同級生に殴られ腎臓損傷、全治6カ月 西脇市

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 西脇市の市立中学校で昨年7月、当時3年の男子生徒が、同級生の男子から腹などを殴られて腎臓を損傷する全治6カ月の重傷を負っていたことが、同市教育委員会への取材で分かった。市教委は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定。同8月に、臨床心理士ら第三者を含む調査委員会を立ち上げ、日常的ないじめの有無などを調査している。調査委が3月中に市教委に報告書を提出する見通し。

 市教委によると、昨年7月6日の休み時間に男子生徒が、からかわれたことに腹を立てて同級生の男子に筆箱を投げ付け、この同級生の顔に当たり口論となった。男子生徒は廊下などで、同級生に脇腹や背中を複数回殴られて病院に搬送され、腎臓損傷などと診断されたという。

 学校はその日のうちに市教委に報告。市教委は、いじめ防止対策推進法が重大事態について定めた「いじめにより生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある」ケースに該当すると判断した。調査委員会は既に7回の会合を開いたという。また男子生徒の家族は西脇署に通報し、同署が任意で捜査。同級生を傷害の疑いで書類送検した。

 市教委は「突発的な暴力だったとしても、日常的な人間関係の不安定さが表出している可能性がある」とし、再発防止に向け市内小中学校で、学校生活での関係性構築を深めるプログラムを推進するとしている。(伊田雄馬)

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