女性7人に強盗強制性交など性的暴行 被告の男に懲役22年求刑 鹿児島地検

 女性7人に対する強盗強制性交など7件の罪に問われた住所不定、被告の無職男(26)=本籍鹿児島県指宿市=の裁判員裁判論告求刑公判が12日、鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)であり、検察側は懲役22年を求刑した。判決は14日。

 これまでの公判によると、被告は襲う女性を夜間の路上で探し歩き、住宅の敷地内など人気のない場所に連れ込み性的犯行に及んだとされる。

 検察側は、背後から手で口をふさぎ体を触るわいせつ行為から、口封じのための撮影や暴力を伴う犯行へと悪質性が増していったと指摘。「通り魔的かつ常習的な犯行で極めて悪質。被害者が体験した恐怖は計り知れない」と論告した。

 弁護側は「一貫して罪を認め反省している」と述べた。性的暴行の中でも妊娠の危険を伴わない行為であり情状面で区別されるべきと主張、懲役9年が妥当とした。

 強制性交罪は2017年の法改正で、処罰対象となる性的行為の幅が広がり、厳罰化された。強盗強制性交罪の法定刑は、無期か7年以上の懲役。強制わいせつ致傷罪は無期か3年以上の懲役。

 起訴状によると被告は、20年10月から22年10月にかけ、女性7人を路上で脅し、性的暴行。1人にけがを負わせ、別の2人からは現金を奪ったとされる。

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