小山市議選の当選無効訴訟、片山氏の訴え棄却 東京高裁、びっくりマークなど「他事記載に該当」

高裁判決後、支援者への報告会で思いを語る片山氏(左)=12日正午、東京都千代田区の日比谷図書文化館

 昨年4月に行われた小山市議選(定数28)で、次点候補と1票差で最下位当選した片山照美(かたやまてるみ)氏(67)が、栃木県選挙管理委員会による票の再点検で当選無効とされた裁決の取り消しを求めた訴訟の判決公判が12日、東京高裁で開かれ、松井英隆(まついひでたか)裁判長は片山氏側の請求を棄却した。片山氏は14日以内に上告すれば、最高裁での判決が確定するまで失職しない。

 小山市選管が有効とした片山氏の得票のうち、候補者名以外が記された2票の効力の有無が争点となったが、高裁は2票とも公職選挙法で無効と規定する「他事記載」に当たると判断。1票差で次点となった荒井覚(あらいさとる)氏(61)の得票が片山氏を上回るとする県選管の裁決を支持した。

 判決によると、2票のいずれも候補者名以外の記載を「意識的で、選挙人を推知させる記載であり無効」などと判断。1票は「かたやまてるみちゃん!!」と書かれたうちの「!!」、もう1票は「てるみ」の下に記された長短2本の縦線を他事記載と認定した。

 市議選の結果を受け、1票差で次点となった荒井氏が票の再点検を申し立て、県選管は市選管が有効とした片山氏の2票を他事記載で無効と判断。荒井氏の得票が1票上回る形となり、昨年11月7日付で片山氏の当選無効裁決を行った。片山氏側は「投票者の意思が明らかな場合は有効とすべきだ」などとして裁決取り消しを求めていた。

 高裁判決を受け、県選管は「当委員会の主張が認められたと受け止めている。今後とも市町選管とともに選挙の適正な管理執行に努める」。市選管は「判決を厳粛に受け止めたい。現段階では確定に至っていないので、今後の状況に応じ適宜対応する」とのコメントを出した。

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