IAEAグロッシ事務局長「第三者の立場で監視続ける」改めて強調 原発処理水放出後、初の来県 福島

東京電力福島第一原発で去年8月に始まった処理水の海への放出。放出開始後、初めてIAEAのグロッシ事務局長が福島県内に入り、処理水の放出について「今後も第三者の立場で監視を続けていく」との考えをあらためて強調しました。

12日に来日した国際原子力機関=IAEAのグロッシ事務局長。13日は、処理水の海への放出が始まってから初めて県内を訪れ、いわき市で開かれた地元自治体や漁業関係者との会議に参加しました。

会議の中でグロッシ氏は「処理水の放出はまだ5%未満。今後も高い透明性、正確な技術など多くの努力が要求される」と述べ、今後もIAEAが第三者の立場で監視を続けていく考えをあらためて強調しました。

その後のグロッシ氏と参加者の意見交換は非公開で行われ、地元関係者からは「処理水の放出完了まで、今後も長期にわたってIAEAがチェック体制を継続し、情報発信を積極的に行ってほしい」などの意見が出されたということです。

福島県漁連・野崎哲会長「(グロッシ事務局長に)よく協力してもらえるようお願いしました」

南相馬市・門馬和夫市長「住民の中には原発由来のものはデブリに触れているから(通常の原発からの排水とは)違うのではないかという不安の声がある。グロッシ事務局長からは「科学的には全く同じだ」と明確な返事をいただいたので、とても安心した」

このあとグロッシ氏は東京電力福島第一原発を訪れ、処理水を薄める設備や、放出の状況を確認しました。

その後の会見でグロッシ氏は処理水の放出について「我々の期待に沿った形で、運用されている」と評価しました。

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