●延長後半、粘りの2得点 ホーム応援に「あきらめず」
試合終了のホイッスルが鳴ると、富山の選手はピッチで力強く両手を突き上げ、ベンチ前ではスタッフらが輪になって喜びを爆発させた。Jリーグ・YBCルヴァン・カップ1次ラウンド1回戦、カターレ富山は格上のJ2・モンテディオ山形を相手に延長後半に2得点を挙げて逆転勝ち。今季の公式戦初白星ともなる劇的勝利に、富山県総合運動公園陸上競技場に集まった観衆1827人も沸き上がった。
延長後半9分、MF伊藤拓巳が値千金の逆転弾を決めた。
富山は9日のリーグ戦第3節から先発メンバーをDF安光将作のみ残し、10人を入れ替えた。相手にボールを握られる時間帯が長かったものの、必死にゴールを守った。
両者無得点で迎えた延長前半2分に痛恨の失点も、富山はホームの応援に後押しされ、最後まであきらめることはなかった。
1点を追い掛ける延長後半6分に碓井が左足で豪快にネットを揺らして追いつき、さらにその3分後に伊藤が逆転ゴール。ベンチから選手やスタッフも飛び出して歓喜した。小田切道治監督は「選手がよく走ってよく戦った。本当に素晴らしかった」とうなずいた。「普段出ていない選手が活躍し、複数得点できた。意味のある1勝」と粘りの勝利をたたえた。
大会は今季からJ2、J3を含む全60クラブが参加するトーナメント方式に再編された。富山は4月24日の2回戦で、県総合運動公園陸上競技場で清水エスパルス(J2.6位)と対戦する。