【ガーデニング】どんな花でも素敵に見える鉢は? 吉谷桂子さんの寄せ植え作りQ&A

ひとつのコンテナに魅力的な植物世界を描き出す吉谷桂子さんの寄せ植え。植物選びからメンテナンスに至るまで、吉谷さんが実践している寄せ植え作りの基本の考え方とは? 今回は「寄せ植えが育てやすいコンテナとは?」「どんな花でも素敵に見える鉢は?」「鉢をペイントするときの色合いは?」の3つの疑問にお答えいただきました。

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Q 寄せ植えが育てやすいコンテナは、どういうものですか?

A 通気性がよい素焼き鉢やバスケット、土がたっぷり入るものを

通気性のよい素焼き鉢はもちろんおすすめですが、近年は軽くて乾きにくい(水やりの頻度が少ない)プラ鉢や樹脂製の鉢もよく使います。

ホームセンターなどで売られている樹脂製のバスケットなども、底に水抜き穴をあけたり、中にライナーを敷いたりして利用。

開口部の狭い素焼き鉢より、開口部が広くて用土もたっぷり入る大型バスケットなら、たくさんの植物をのびのび育てられておすすめです。

ガイラルディア2種にバーベナ、キンギョソウ、アルテルナンテラなど盛りだくさんに植えても、用土たっぷりでよく育つ。
樹脂製のバスケットに、水抜き穴をあけたライナーを敷く。用土がたっぷり入るのに軽くて、開口部が広いから植えつけやすい。

Q どんな花を植えても、素敵に見えるのはどんな鉢?

A 鉢の色は寄せ植えの大事な要素。 少し古びたほうが使いやすい

黒や焦げ茶の鉢は明るい花色を引き締め、地面に近い色なのでどんな花とも似合います。

素焼き鉢もオールマイティだけれど、みなさんが憧れる英国製のウィッチフォードの鉢は新品だとテラコッタ色が強いので、オレンジ系や同系色の銅葉などが引き立ちます。

洋服の着こなしでは、靴が決まればトータルコーディネート全体が完成しますが、それと似ていて、先に植木鉢ありきでそれに似合う花を選ぶと、全体的にバランスの取れた寄せ植えが作りやすいといえます。

メタリックな質感の黒い鉢で、チューリップやプリムラ ‘ウインティー’ 、ステラ(バコパ)やアイビーなどの寄せ植えをスタイリッシュに飾る。

Q 鉢をペイントするときは、主役の花と同じ色にペイントすればよいですか?

A 主役の花色の同系色ならOK!

もしも、育てたい花に似合う鉢がないと思ったら、主役の花と同系色に塗ってみては? また、近ごろはプラ鉢などもカラーバリエーションが豊富になって、微妙な花色に合うものが登場しています。

黄色に白が溶け込んだようなオステオスペルマムの花色。アイビーやロータスの葉色にも近い、やさしい色合いにペイントした鉢。

撮影/吉谷桂子

※この記事は『園芸ガイド』2013年春号の記事をWEB用に再編集したものです。


監修者
英国園芸研究家 吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。英国暮らしの経験を生かしたガーデンライフを提案。「中之条ガーデンズ」「はままつフラワーパーク」など各地の庭を手がけ、また、ガーデニングプロダクトの企画、デザインも行っている。『花の楽しみ 育て方飾り方』(主婦の友社)など著書多数。

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