「長い歴史つなぐ第一歩」原発事故で避難「大堀相馬焼」窯元が13年ぶり故郷へ 福島・浪江町

東京電力福島第一原発の事故で避難していた福島県浪江町の「大堀相馬焼」の窯元が、13年ぶりに故郷の大堀地区で活動を再開しました。

浪江町大堀地区で再開したのは、町に伝わる伝統工芸、大堀相馬焼の窯元「陶吉郎窯」です。

原発事故で帰還困難区域となった大堀地区。窯元の近藤学さんは、避難先のいわき市で窯を復活させ、伝統の灯を守り続けてきました。去年、地区の一部で避難指示が解除されたことを受け、近藤さんは、故郷の工房を建て直し、今年2月から創作活動を再開しています。

15日のお披露目式では、産地復活への目標を語りました。

陶吉郎窯 窯元・近藤学さん「この施設、設備を活用して、これから産地形成という大きな目標に向かって頑張っていきたいと思っています」

浪江町には震災前、20数軒の窯元がありましたが、現在、避難先で活動しているのは、半分ほどになりました。唯一、大堀地区で再開した近藤さんは、300年以上続く伝統継承への決意を新たにしました。

近藤さん「これからまた100年200年という長い歴史をつなげていく第一歩、その礎になれればと精一杯頑張っていきます」

近藤さんは、大堀相馬焼と会津漆器がコラボした新たな作品作りにも挑戦しています。

近藤さん「新しい作品を今もうすでに作り始めているので、6月のオープンにはここに展示したいと思っています」

陶吉郎窯には、展示場も設けられていて、今年6月のグランドオープンを予定しています。

© 株式会社テレビユー福島