長崎県内の企業 54%が賃上げ見込み 帝国データバンクが調査

県内企業の賃金改善見込み(過去5年間)

 大企業を中心とした春闘の集中回答日に当たる13日、2024年度に賃金改善を見込む長崎県内企業が54.4%(前年比1.3ポイント減)に上ることが、帝国データバンク長崎支店の調査で分かった。賃上げの具体的な内容は、賃金を一律に底上げするベースアップが47.6%(同1.4ポイント増)と半数に迫った。総人件費は平均4.69%増の見通し。
 調査は県内企業259社を対象に、1月18日から31日まで実施。有効回答は103社だった。
 賃金改善を見込む企業を規模別に見ると「大企業」だけが、前年度調査と比べ割合が上昇。業種別では「不動産」「製造」「運輸・倉庫」「サービス」の4業種の割合が上がった。賃上げの理由は「労働力の定着・確保」が91.1%(複数回答)と最も多かった。
 一方、賃金改善しない企業は13.6%(前年比2.4ポイント減)で、調査を始めた07年度以降最低となった。従業員数別は、50人未満の企業が占め、このうち5人以下が30.4%と突出して高かった。理由は「自社の業績低迷」が28.6%(複数回答)で最多だった。
 調査結果を受け、連合長崎は「賃上げしない企業は労働組合がないところが多い。大手の満額回答を受けて、賃上げの流れがどれだけ中小に波及するかが鍵。労務費の価格転嫁ができるように中小への支援をしていきたい」としている。

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