独首相がイスラエルに異例の苦言、ハマス攻撃「非常に高コスト」

Sarah Marsh

[エルサレム 17日 ロイター] - イスラエルを訪問しているドイツのショルツ首相は17日、イスラエルのネタニヤフ首相との会談後に共同で会見し、パレスチナ自治区ガザにおけるイスラム組織ハマスに対するイスラエルの攻撃について「非常にコストが高い」と疑義を投げかけ、世界はガザのパレスチナ人が飢餓に直面する状況を傍観できないとくぎを刺した。

ショルツ氏は、ガザにおける市民犠牲者数の多さやガザに支援が十分に届いていないことなどについて懸念を共有したと説明。「ガザの人々の状況が絶望的になればなるほど、次のような疑問が生まれる。つまり目標がいかに重要であろうと、それほど高いコストが正当化されるのか、目標を達成する他の方法はあるのではないか、という疑問だ」と英語でスピーチした。

ドイツは米国とともに一貫してイスラエルを支持する立場を取っており、ショルツ氏がイスラエルに対してこれほど厳しい態度を見せるのは異例。

ショルツ氏はイスラエルが15日にガザ最南部ラファに地上侵攻する計画を承認したことについても、「150万人余りの人々をどのように保護すべきか。これらの人々はどこに行けばいいのか」と計画を疑問視。ラファ侵攻で多数の市民が犠牲になれば、この地域で平和を達成するのが非常に難しくなると述べた。

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