【高松宮記念/追い切り診断】ナムラクレア超える「S」評価 「研ぎ澄まされた前走よりさらに数段上」

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■ルガル

【中間調整】未勝利勝ちはダート戦だったが、以降は芝短距離路線に専念。昨年5月のリステッド・橘Sでは5馬身差で圧勝を収め、自身初の芝1200m戦だった重賞の葵Sではスタート後にトモを滑らせるアクシデントがありながらも、“フライング”が囁かれたほどに絶好のスタートを決め押し切ったモズメイメイに半馬身差まで迫る2着に入った。昨年秋からは古馬相手の重賞戦線に臨み、スワンSで4着、京阪杯で2着。そして前走のシルクロードSでは課題のゲート難をクリアし、2番手から抜け出す正攻法から重賞初勝利を果たしている。

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その後はGI高松宮記念への直行が既定路線。放牧でじっくり英気を養ってから2月末に栗東へ戻り、順調に調整が進んでいる。1週前追いは坂路併せ馬。3歳馬相手とはいえ、これを力強く抜き去って2馬身の先着を果たした。不良馬場だったことを考えればラスト1F11秒9(一杯)という数字も圧巻。

【最終追い切り】1週前追いに続き、レース当週も西村淳騎手が騎乗して坂路単走。序盤から集中しきったシャープな走りで登坂し、ラストは斜め前方にいた他馬を仮の目標として、気持ちを乗せてさらに加速し切れに切れた。精神面、体調面ともに言うことなし。

【見解】2週前、1週前、最終追いと3週連続で坂路ラスト1F11秒台をマーク。やれば出る馬ではあるが、それでも3週続けてはなかなかできない芸当で、高い脚力と充実ぶりの証と言える。研ぎ澄まされていた前走時よりさらに数段上の状態で、文句なしの仕上がりだろう。橘S勝ちが不良馬場でのものだったし、1週前の動きから考えてもタフな馬場をまったく苦にしなさそうな点は心強い。レベルが低いとされる4歳馬世代の1頭。一気の戴冠で周囲の見方を変えることができるか。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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