【高松宮記念/追い切り診断】実力トップクラスが3歳馬に半馬身遅れ……辛口「B」評価 「本番までにガラッと変わる要素少ない」

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■ナムラクレア

【中間調整】ここまでスプリント重賞4勝。GIでは3歳秋のスプリンターズSが外を回らされる不利がありながら0秒2差5着、昨年の高松宮記念が特殊な不良馬場かつ外枠の不利もなんの2着。昨年秋、2度目の同レース挑戦だったスプリンターズSでは出遅れが祟って0秒2差3着。展開ひとつ、流れひとつでビッグタイトルに手が届いていい実力馬だ。レース間隔と、今後の選択肢のことも考え今期初戦は1400mの京都牝馬Sに参戦。仕上がりは正直いまひとつだったようだし、外を回す大味な競馬でもあったが勝ち馬ソーダズリングにクビ差2着と悪くない滑り出しを見せた。

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京都牝馬Sをステップとして、中4週の高松宮記念で悲願GI獲りに挑むのは予定通り。1週間のミニ放牧で疲れを取り、3月2日の坂路14-14から時計を出し始めている。1週前のCW併せ馬には浜中騎手が騎乗。3歳1勝クラスの後ろで我慢させ脚を溜めたが、それほど弾けず半馬身の遅れ入線に終わっている。

【最終追い切り】レース当週は長谷川師が騎乗しCWで単走。道中からやや気乗りしないような雰囲気があり、直線では指揮官がステッキ2発を入れてようやく加速するといった内容だった。

【見解】ときたま、案外な動きをすることもある馬。それでも2週前坂路、1週前CWと2週続けて3歳馬に遅れるというのは気持ちの面でなんらかの引っ掛かりがあるのかも。異変を感じたということか、通常栗東調整なら必ず坂路で最終追いをこなしてきた陣営が“荒療治”とばかり、CW最終追いを選択。しかし、ここでも気乗りしないような雰囲気だけが目立つ内容に終わっている。しっかり負荷を掛けられたこと自体は評価していいし、体調面だけなら問題なさそうだが、本番までにガラッと変わる要素は少ない雰囲気で、人気ほどの信頼は置きづらい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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