56年ぶりの3連覇! 世界女王・坂本花織の表彰式後の”振る舞い”が脚光! 星条旗発見→肩掛け行動にフィギュア名物記者が感動「いつもの仕事だ」

世界女王の心優しい気遣いが大きな脚光を浴びている。

現地3月22日(日本時間23日)、カナダ・モントリオールで開催されているフィギュアスケートの世界選手権は女子フリーが行なわれ、坂本花織がショート4位から挽回。大逆転で優勝を果たし、56年ぶり史上8人目となる大会3連覇を飾った。

坂本は2つ目の3回転ルッツがマイナスに評価されるも、それ以外のジャンプはパーフェクト。体力が落ちる後半もまとめて降り、スピンはすべて最高評価のレベル4を獲得するなど、高いスケーティング技術を見せた。

演技直後はすべての力を出し尽くしたかのように感極まった表情を見せ、スタンディングオベーションを送る観衆の声援に応えた。フリーの得点は2位だったイザボー・レビト(アメリカ)に11.24点差をつけ、3年連続となる金メダルをその手中に収めた。
圧巻の演技で3度目の世界女王に君臨した坂本。だが、パフォーマンスだけではない一流の振る舞いが小さくない話題となっている。

表彰式後、坂本と銅メダルだった韓国のキム・チヨンはスタッフから母国の国旗を受け取り肩にかけていたが、銀メダルだったレビトの手元には星条旗が届かず。それにいち早く気付いた坂本はリンク脇まで移動して米国の国旗を受け取ると、それをレビトの肩に掛けてあげた。

女王の優しさに17歳のスケーターは感激。お礼を言うと坂本はニコッと笑顔を見せ、2人は仲良く滑りながら記念撮影に応じた。

この感動的な場面を名物フィギュアスケート記者ジャッキー・ウォン氏は自身のX(旧ツイッター)に「カオリ・サカモトはイザボー・レビトにアメリカの国旗を見つけてあげた。彼女にとって、それはいつもの仕事だ」と即投稿。昨年、さいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権でも、3位だったルナ・ヘンドリックスが今回と同じように国旗が手元になく困っていると、坂本は観客席に向かって「ベルギー国旗持ってる人いませんかー」と必死に奔走。彼女に国旗を渡した神行動を思い出し、変わらぬ心遣いを称賛していた。

男女を通じて日本人初の偉業を達成した坂本。気遣いもまた、世界女王にふさわしく、観客からの声援は止まなかった。

構成●THE DIGEST編集部

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