待望の試乗会です。4月6日のデビューを前に、JR伯備線の特急「やくも」の新型車両の試乗会が行われました。これまでの国鉄時代に作られた車両は「揺れすぎて酔う」との声が多く聞かれましたが、新型はどうなのでしょうか。
(砂山祐佳里記者)
「見てください、このブロンズ色に輝くボディ!今回、やくもの新型車両が岡山駅に到着しました」
伯備線の特急に新型車両が導入されるのは、実に約40年ぶり。これまでの国鉄時代の特急電車に代わる車両とあって、注目度は抜群です。抽選で試乗会に当選した鉄道ファンがJR岡山駅に集結しました。
(奈良から)「新しい車両が出るって聞いて。かっこよかった」
(京都から)「今日乗るのが初めてなので、楽しみです」
中には、恨めしそうに新型車両を見つめ続ける男性の姿も。
(広島・福山市から)
「外れ組です」
ーなぜ来たのですか?
「悔しいからです、悔しいからです、悔しいです」
(砂山祐佳里記者)「これからいよいよ試乗会、出発です!」
今回の試乗会は、岡山から新見までの往復で実施。果たして、その乗り心地はどうなんでしょうか?
(砂山祐佳里記者)
「この新型車両では、リクライニングをすることができます。背面と座面が動くことで、その人にあった姿勢でゆっくりと車窓を眺めることができます」
そして、新型車両の目玉、セミコンパートメント=グループ向け座席です。
(試乗会に参加した親子)「すごく安らげる空間だなあと思います。」
すごく画期的だと思います。車窓に夢中になってます。普通の席に戻りたくない」
そして一番の注目ポイントは、「どこまで乗り物酔いが軽減されるか」です。
カーブの多い中国山地を猛スピードで駆け抜けるやくも号。
いまも走っている国鉄時代に製造された車両は、デビュー当初「揺れる」「酔う」ことが問題となっていると取り上げられていたほどです。
(1982年の映像より)
「(かなり気分悪くなった?)はい」
(車内販売員)「よく揺れるから大変」
酔いやすい人は酔い止め薬が必須。ぐったりする人が続出することから、愛称の「ゆったりやくも」ならぬ「ぐったりはくも」とも呼ばれてしまっています。
果たして新型は?
(砂山祐佳里記者)
「カーブに差し掛かっていますが…この通り、座っていて、特に揺れを感じることはありません」
その理由は、今回新たに搭載された「車上型制御付自然振り子方式」にあります。
従来のやくもと比べて最大で23%、酔いにくくなってたといいます。
(試乗会に参加した親子)
「行きは、国鉄型のやくもに乗って来たんですけど酔ったので、新型は快適です」
(JR西日本岡山営業部 菅又武之 部長)
「観光地にコロナ以前よりも賑わいを取り戻したい。ぜひ地域の沿線の魅力の発信源となれば」
乗り物酔いから解放され、さらには楽しい空間での旅行も楽しめそうなやくも新型車両。いよいよ4月6日にデビューします。