国連安保理、ガザ即時停戦決議案を採択 米は棄権

Michelle Nichols

[国連 25日 ロイター] - 国連安全保障理事会は25日、イスラエルとイスラム組織ハマスとのパレスチナ自治区ガザでの戦闘の即時停戦と人質全員の即時かつ無条件の解放を求める決議案を賛成多数で採択した。全15理事国のうち14カ国が賛成。米国は棄権した。

イスラエルのネタニヤフ首相は、米国が拒否権を行使しなかったことは立場の「明らかな後退」であり、人質解放に向けた取り組みなどに打撃を与えると非難。イスラエルは予定していたワシントンへの代表団派遣を取りやめると発表した。

これに対し米国の国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「拒否権を行使しなかったことは政策の転換を意味するものではない。米国の方針は何も変わっていない」と述べた。

アルジェリアのアマール・ベンジャマ国連大使は投票後、安保理で「パレスチナの人々は非常に苦しんでいる。大虐殺があまりにも長く続いている。手遅れになる前にこの大虐殺に終止符を打つことがわれわれの義務だ」と語った。

米国のトーマス・グリーンフィールド国連大使は「停戦は最初の人質の解放と同時にすぐに始まる可能性があるため、われわれはハマスにそうするよう圧力をかけなければならない」と指摘。米国は決議案の全てに同意したわけではなく、ハマスを非難する内容が含まれていなかったため、投票を棄権したと述べた。

その上で「停戦には全ての人質の解放が必要であると明確にすることが重要だと考えている。最初の人質の解放を受け、直ちに停戦を開始できる」と語った。

イスラエルのエルダン国連大使は「この戦争はハマスによる虐殺を受けて始まった」とし、「イスラエルがこの戦争を始めたわけではなく、戦争を望んだわけでもない」と述べた。

決議案はまた「ガザ地区全体への人道支援の流れを拡大し、市民の保護を強化する緊急の必要性を強調し、大規模な人道支援の提供に対するあらゆる障壁の撤廃を改めて要求する」とした。

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