【上野】東京国立博物館「博物館でお花見を」~黒田記念館は春の特別室公開も

春の恒例企画「博物館でお花見を」上野の「桜」はトーハクで見よう!

東京国立博物館 本館で開催中の「博物館でお花見を」[2024年3月12日(火)~4月7日(日)]へひと足早く行って来ました。

桜をモチーフにした日本美術の名品を探す鑑賞体験屏風図から美人画、蒔絵箱まで日本人が生活の中で愛した桜にたくさん出会いました。

本館に面した春の庭園では、オオシマザクラをはじめ約10種類の桜が順次開花します。桜と日本美術のコラボが楽しめる展覧会です。

トーハクで上野の「桜」のお花見をしてみませんか。

3月26日(火)からは黒田記念館の春の特別室公開も始まっています。

※特別な許可を得て撮影しています。展示室内は一部を除き撮影禁止です。

出典:リビング東京Web

東京国立博物館ならではの贅沢なお花見、桜の日本美術と庭園の桜のコラボ

仏教美術の桜 空海さんもお花見⁈《弘法大師像(こうぼうだいしぞう)》

山入端の満開の桜から現れた光り輝く釈迦如来。釈迦如来から放たれた一条の光

輝ける仏陀と一体となること、即身成仏を求め続けた空海《弘法大師像》

仏の光を受けて覚醒したかのような眼差し。右手に五鈷杵、左手に数珠を持ち座す姿を描いています。

満開の桜空海さんもお花見でしょうか。

出典:リビング東京Web

屏風図の桜華やかに《草花図屏風(くさばなずびょうぶ)》

春から秋にかけての草花図6枚を1扇に1枚ずつ貼って仕立てた押絵(おしえ)貼屏風です。

輪郭線でクッキリと描かれた花々春の1扇でしょうか、満開の桜が画面いっぱいに描かれています。

葉や茎は、没骨(もっこつ)とたらしこみで描かれ、優しく上品な草花図となっています。

俵屋工房の画家、喜多川相説(きたがわそうせつ)は、江戸時代に金沢で活躍した画家です。

出典:リビング東京Web

《犬追物図屛風(いぬおうものずびょうぶ)》は春のイベント⁈

弓術(きゅうじゅつ)の作法をみがく伝統競技「犬追物(いぬおうもの)」を描いた《犬追物図屛風》

右隻、中央の犬の周りを、馬上で弓矢を手にした武士たちが取り囲むように集まっています。矢は犬を傷つけない細工がしてあるそうです。

金泥雲と山の緑を背景に、柵の周りには満開の桜が咲いています。柵を取り囲む大勢の見物客の賑わいが聞こえてきそう。

着飾った女性や、帯刀した武士、墨染めの衣の僧侶などの姿が描かれ、近世風俗画として見ても面白い屏風図です。

右隻と左隻は、描かれた年代が異なりますが、1双の屏風として組み合わされたそうです。

出典:リビング東京Web

江戸の春を彩る桜のモチーフ、小袖(こそで)、簪(かんざし) 桜の下には江戸の美人

小袖(こそで)に桜

小袖《萌黄縮緬竹垣梅桜文字模様(もえぎちりめんたけがきさくらもじもよう)》(左)。

和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)漢詩(かんし)意匠化した文字が刺繍された小袖です。

文字の周りには雪の結晶を象ったようなさまざまな梅花文様があしらわれています。

小袖《紫白染分縮緬地笠扇桜文字模様(むらさきしろそめわけちりめんじがさおおぎさくらもじもよう)》(中央)には、カタカナで刺繍された伊勢大輔「いにしへの 奈良の都の 八重桜―」の和歌が。

出典:リビング東京Web

《桜に燈籠飾簪(さくらにとうろうかざりかんざし)》

銅製の鍍金が施され、螺と珊瑚薄紅色の桜の花を象った《桜に燈籠飾簪(さくらにとうろうかざりかんざし)》

江戸時代に丸髷の女性の黒髪に似合う春らしい飾簪です。

出典:リビング東京Web

《桜下美人図(おうかびじんず)》と《桜図(さくらず)》、《桜花図(おうかず)》

若い娘と侍女を描いた長沢芦雪《桜下美人図》(中央)。

娘の装いは、べっ甲の簪に、紫色の振袖。幅広の龍のモチーフの帯をだらりと垂らした豪華なもの。枝垂桜の枝をそっと右手に取っています。

侍女は質素な身なりですが、萌黄色の帯は千鳥文様でしょうか。春爛漫の枝垂桜の下で楽しげに微笑む2人。

左には、広瀬花陰(ひろせかいん)《桜図(さくらず)》。右には、芦雪の師・円山応挙(まるやまおうきょ)《桜花図(おうかず)》

出典:リビング東京Web

金銀蒔絵や、やきものに表された桜の世界

《桜蒔絵十種香箱(さくらまきえじっしゅこうばこ)》

全体に黒漆塗を施した表面に、金・銀・朱の蒔絵(まきえ)金貝桜の花を描いています。

組香(くみこう)に用いる用具が収められた二段重ねの蒔絵箱です。

江戸時代の文様ですが、昭和時代に流行った家電や食器の花柄模様を思わせる可愛らしくてモダンな桜の蒔絵箱です。

出典:リビング東京Web

洗練されたデザイン、鍋島(なべしま)《色絵枝垂桜図皿(いろえしだれざくらずさら)》

背景を濃(だみ)で塗り込み、染付(そめつけ)と赤の上絵具で描かれた鍋島《色絵枝垂桜図皿》。夜の枝垂桜を表現しているそうです。

鍋島の七寸皿はセットで大名家や将軍家の贈答用に用いられたとか。

同様の図柄で10枚一そろいが伝わる珍しいものだそうです。

洗練されたデザイン春の宴席を華やかに彩ったのかもしれません。

出典:リビング東京Web

祝!重要文化財指定《如来立像(にょらいりゅうぞう)》

2024年3月15日に文化審議会(ぶんかしんぎかい)から文部科学大臣に指定の答申がされた国宝6件、重要文化財36件のうち、法隆寺献納宝物《如来立像》重要文化財に指定されたそうです。

ゆるやかなS字状の姿勢正面から参拝することを意識した厚みのない身体子供のような顔つきは、飛鳥時代(あすかじだい)後期仏像の特徴を表しているとされます。

飛鳥時代に多い金銅仏ではなく、木造、漆箔(しっぱく)の如来像は、珍しいそうです。

出典:リビング東京Web

東京国立博物館、春の庭園散策

鑑賞の後は、東京国立博物館の春の庭園をちょっと散策。

池を囲むように点在する茶室や木々の緑が春の風景を見せてくれます。

観覧した時期は、はまだ咲き始めでしたが、日本美術の名品の数々にあらわされたと、庭園の桜が重なり、贅沢な鑑賞体験でした。

東京国立博物館「博物館でお花見を」は、4月7日(日)まで。

是非お出かけください。

〇庭園開放時間:9時30分~17時まで

※天候や整備作業等により、閉園もしくは散策エリアを制限する場合があります。※茶室内には入れません。

出典:リビング東京Web
出典:リビング東京Web

黒田記念館(くろだきねんかん)もオススメ!春の特別室公開は期間限定

本館で桜の日本美術と庭園のお花見を楽しんだ後は、ちょっと足を延ばして黒田記念館まで。

東京国立博物館から東京藝術大学へ行く途中にある赤色のスクラッチタイルの外観が美しい建物です。

日本近代洋画の父・黒田清輝(くろだせいき)の作品が見られる記念館です。

出典:リビング東京Web

2階、黒田記念室と特別室公開

アンティークな館内の階段2階の黒田記念室まで上がります。

3月31日(日)までの展示では、絶筆となった《梅林》(黒田清輝筆 大正13年(1924))をはじめ黒田の師・ラファエル・コラン筆の《裸婦》((1870年))や、《コラン氏筆の部分(模写)》(黒田清輝筆 明治40年代(1907~12))を見ることが出来ました。

黒田の明るい色彩と確かなデッサン力は、作品の中の風景や人物の周りの空気感まで感じさせてくれます。

春の特別室の公開は、2024年3月26日(火)~2024年4月7日(日)まで。

落ち着いた雰囲気の特別室では、黒田の代表作《読書》(1891年)、《舞妓》(1893年)、《智・感・情》(1899年)、《湖畔》(1897年)をゆっくり鑑賞することが出来ます。

黒田記念館は、入館無料。こちらも是非オススメです。

※文中の作品は全て黒田記念館蔵

出典:リビング東京Web

東京国立博物館、本館ミュージアムショップ

ミュージアムグッズは、円山応挙《朝顔狗子図(部分)》、作者不詳《薬玉に猫図(部分)》のミニマグネットアート(各385円※)、和三盆 風神雷神(748円※)、酒井抱一《四季花鳥図》アートシール(330円※)、酒井抱一《夏秋草図(部分)》のクリアファイル(330円※)を購入。

酒井抱一《夏秋草図(部分)》のクリアファイルは、100%再生プラスチックだそうです。

※クリアファイルば透明です。絵柄を見せるため白いコピー用紙を背景にしています。

※価格はすべて税込です。

出典:リビング東京Web

〇東京国立博物館

URL:https://www.tnm.jp/

住 所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

アクセス:JR上野駅公園口・鶯谷駅南口から徒歩10分、東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分

お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル)

開館時間:9時30分~17時 ※総合文化展は毎週金・土曜日は夜19時まで ※入館は閉館の30分前まで

休 館 日:月曜日(祝・休日の場合は翌平日休館)

観 覧 料(総合文化展):一般 1,000 円/大学生 500 円 ※特別展は別料金になります。黒田記念館は無料です。

※総合文化展は、事前予約不要です。入館方法の詳細は東京国立博物館ウェブサイトをご確認ください。

※高校生以下、および満18歳未満と満70 歳以上の方は総合文化展は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。

※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。

※最新情報は、東京国立博物館のホームページでご確認ください。

〇「博物館でお花見を」

会期:2024年3月12日(火)~4月7日(日)

会場:東京国立博物館 本館、庭園

観覧料:(総合文化展の観覧料で見れます)一般 1,000 円/大学生 500 円 ※特別展は別料金になります。

※有料イベント等は別途料金が必要です。

黒田記念館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

アクセス:JR上野駅公園口、鶯谷駅南口下車 徒歩15分、東京メトロ上野駅、根津駅、京成電鉄京成上野駅下車 徒歩15分

お問合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

開館時間:9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(祝日・休日の場合は開館、翌火曜日休館)、年末年始。ただし原則として、ゴールデンウィーク期間とお盆期間中は無休

観覧料:無料

特別室開室日:2024年3月26日(火)~2024年4月7日(日)※年3回、新年、春、秋に各2週間、公開。秋の公開は黒田記念館ホームページでご確認ください。

〇本館ミュージアムショップ

営業時間:博物館の開館時間に準ずる

TEL:03-3822-0088

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