癒やしの「宮ゆず」芳香剤 床井柚子園が商品化 宇大と連携し成分研究

宮ゆずの芳香剤「MIYAYUZU ROOM SPRAY」

 宇都宮市産ユズ「宮ゆず」の各種商品づくりに取り組む床井柚子園(宇都宮市新里町、床井光雄(とこいみつお)代表)は27日までに、宮ゆずの香りを楽しめる芳香剤「MIYAYUZU ROOM SPRAY」を商品化した。宇都宮大と連携して、ユズの成分研究結果を生かし、宮ゆずの香りを再現した。

 県産ユズを研究したのは宇大工学部の北本拓磨(きたもとたくま)技術専門職員。床井代表から2018年ごろ、宮ゆずの分析を依頼されたのがきっかけ。同部の長谷川光司(はせがわひろし)教授らの指導を受けた。

 北本氏は宮ゆずから香り成分を60種類近く検出。宮ゆずのみで芳香剤を製造すると破格の値段になることから、入手しやすい約20種類の調合香料を使って宮ゆずの香りを再現したという。マウスでの試験の結果、「抗ストレス作用を有するユズ調合香料」として、21年7月に特許を出願した。

 同大地域創生推進機構社会共創促進センターが、同大産学交流振興会の創立25周年記念講演会で芳香剤を配布したところ、好評だったため商品化が進められた。

 商品は30ミリリットル2640円、100ミリリットル3300円。製造は香料製造などのカネモ香料(小山市)が手がける。北本氏は「研究が商品化や社会実装に結びつく機会は非常にまれ」と喜ぶ。床井代表は「特許も申請でき、宮ゆずを作る者として誇りに思う」と話した。

 JR宇都宮駅の駅ビルの「丹波屋栃木銘店」で購入できる。

芳香剤「MIYAYUZU ROOM SPRAY」を持つ床井代表(左)と北本技術専門職員=25日午前、宇都宮市
発売された「MIYAYUZU ROOM SPRAY」。30ミリリットル(左)と100ミリリットル

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