宇都宮市中央卸売市場に「食のマーケット」2026年3月オープンへ テナントに「かましん」「みんみん」など

にぎわいエリアの整備イメージ

 佐藤栄一(さとうえいいち)宇都宮市長は28日の定例記者会見で、市中央卸売市場(簗瀬町)に新設する一般消費者向けの「にぎわいエリア」について、民設民営で施設の整備や運営を担う優先交渉権者を大和リース(大阪市)に決定したと発表した。同社はマグロ専門店など市場の水産物や青果物を扱う飲食店などを置き、朝市といったグルメイベントで盛り上げる食のマーケット構想を提案した。2026年3月のオープンを目指す。

 同社の構想では、にぎわいエリアを食の専門店、生活利便、イベントの3ゾーンに分け、テナントは市内店舗を中心に入れる。

 食の専門店には同市場の仲卸業者「苅込(かりこみ)」のマグロ専門店、「奴寿司」の鮮魚店、「あぜみち」の農産物販売店、「ビックミート山久」の精肉店のほか、飲食店として浜焼きの「せい兵衛」やギョーザの「宇都宮みんみん」などが入る。生活利便ではスーパーの「かましん」が市場の青果物や水産物を販売する予定。

 イベントゾーンは芝生広場やカフェを設ける。多くの店舗が早朝から営業し、朝市や朝食をテーマにしたグルメイベントの開催、市内の観光ツアーと連携した企画も想定する。専用駐車場は355台分を備える。

 市は26年度まで10カ年計画で、同市場の再整備を行っている。約15万平方メートルの市場敷地のうち、約2万7千平方メートルをにぎわいエリアとして貸し出す。昨年7月から公募型プロポーザル方式で事業者選考を行い、応募のあった5グループから最高評価点の大和リースに決めた。借地料は年間約5千万円になる見通し。

 予定地には冷蔵施設などがあるため、7月をめどに契約を結んだ後、解体も含めて同社が工事を進めていく。佐藤市長は「市民に親しまれる施設、経済の循環を起こす施設になってもらえれば」と話した。

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